日本経団連の関連組織である経済広報センター(会長=奥田碩・日本経団連会長)は8月30日、東京・大手町の経団連会館で、「企業広報賞」の今年の受賞企業・受賞者に対する表彰式を開催した。表彰式では、企業広報大賞を受賞したキヤノン、企業広報経営者賞を受賞した松下電器産業の中村邦夫社長、キッコーマンの茂木友三郎会長 CEO、企業広報功労・奨励賞を受賞した神戸製鋼所の泉博二理事 秘書広報部長、ヤマト運輸の白鳥美紀広報部長に、それぞれ表彰楯やトロフィーなどが贈呈された。
今回が20回目となる企業広報賞の表彰式ではまず、主催者を代表して奥田会長があいさつ。同賞の選考ポイントについて、「経営理念や経営改革の方向を明確に打ち出し、投資家、消費者、従業員などの各ステークホルダーとのコミュニケーションを進め、企業の姿を積極的に伝えて、社会から高い信頼を得たかが評価の基準」であると説明した。その上で、企業広報大賞、企業広報経営者賞を受賞した1社、2氏はその模範となるべき活動を実践し、企業広報功労・奨励賞を受賞した2氏は、企業を取り巻く環境が大きく変化する中、長年にわたりさまざまな局面で企業広報を実務面から支えてきたと述べ、受賞企業・受賞者をたたえた。
さらに奥田会長は、企業不祥事が昨今続いていることを挙げ、「社内コミュニケーションを通じて企業倫理を徹底し、社会からの共感と信頼を得ながら、新たな価値の創造に励むことが、企業活動の基本となる」と指摘。その意味で企業広報の重要性はさらに増していることを強調した。
この後、表彰楯・トロフィーなどの贈呈と、選考委員による講評が行われたのに続いて、受賞企業・受賞者があいさつし、喜びを語った。
企業広報賞は1984年に創設され、広報活動の活性化を目的に、優れた広報活動を実践している企業や個人を毎年表彰している。
企業に贈られる企業広報大賞は「企業としての総体的価値を社会にアピールできているか。経営トップと広報が効果的に連携・一体化して積極的な広報活動をしているか」、経営者に贈られる企業広報経営者賞は「トップ自らが広報の重要性を認識し、各ステークホルダーと積極的にコミュニケーションを図っているか」が選考ポイント。また、企業広報功労・奨励賞は「企業広報の発展に功労の大きかった個人やチーム、独創的な企業広報を実践している」個人やチームが対象となる。