日本経団連タイムス No.2738 (2004年9月16日)

ロシア沿ヴォルガ連邦管区、キリエンコ大統領全権代表が来訪

−奥田会長と会談


日本経団連の奥田碩会長は7日、東京・大手町の経団連会館で、ロシア最大級の工業地区で自動車・機械産業が発展している沿ヴォルガ連邦管区のセルゲイ・キリエンコ大統領全権代表(元ロシア首相)と会談した。

会談ではまず、ロシア南部の北オセチア共和国ベスランで先日起こった学校占拠事件の犠牲者に対し、奥田会長が哀悼の意を表明したことを受け、キリエンコ氏は謝辞を述べるとともに、「テロの脅威に対しては、世界で力を合わせ、国を超えて連帯感をもつことが大事である」と語った。

続いてキリエンコ氏は、ロシアの2003年GDP成長率が7.3%、インフレ率も12.0%に落ち着いているなど、ロシア経済が安定的に発展していると説明。さらに、日本のロシアに対する投資が40%程度の伸びを示しているほか、沿ヴォルガ連邦管区の経済は従来の石油集中型から、機械や化学、テクノロジーへの多様化が進むなど、構造的にもよい変化が表れていると語った。
このことについてキリエンコ氏は、「これは、日本経団連が2001年6月に行った対ロシア政府派遣経済使節団の訪問の成果である」と高く評価。これに対して奥田会長は「成果が出たのであれば喜ばしい」と応じるとともに、今回のキリエンコ氏の訪日が、沿ヴォルガ連邦管区の投資環境を一層好転させる契機となるよう期待感を示した。
また、キリエンコ氏は、沿ヴォルガ連邦管区の重要産業として、自動車生産や航空機製造、造船、交通インフラなどの整備を挙げ、特に、沿ヴォルガ連邦管区における自動車の生産が、ロシアの90%を占めていることを紹介した。

【国際経済本部北東アジア・ロシア担当】
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