日本経団連タイムス No.2739 (2004年9月23日)

全労委使用者委員研修会開く


全国労働委員会使用者委員連絡会議(代表幹事=福岡道生・中央労働委員会使用者委員、事務局=日本経団連)が主催する第4回全国労働委員会使用者委員研修会が、9、10の両日、東京・大手町の経団連会館で開かれ、全国から49名の労働委員会使用者委員が参加した。

1日目は、弁護士の牛嶋勉氏が、「労働委員会・不当労働行為審査の概要と参与委員の役割」と題して講演。労働委員会制度に関する幅広い内容について解説した。続いて、中央労働委員会事務局調整第一課長の岩崎修氏が「労働争議調整手続の実務」と題し、労働争議とその調整方法について説明したほか、東京都地方労働委員会会長の藤田耕三氏が、「労働委員会における和解」について解説。和解の考え方や傾向を、具体的な事例や自身の豊富な経験に基づいて語った。

2日目はまず、法政大学講師の渡辺圭二氏が、「不当労働行為審査手続における参与委員の役割と留意点」と題し、実務の観点から解説した。

続いて、慶應義塾大学教授の山川隆一氏が、「労働審判制度の概要と労働法制をめぐる近時動向」をテーマに講演。新たに導入される労働審判制度について、(1)個別的労働紛争(解雇、賃金不払いなど)の裁判所における簡易迅速な解決手続きである (2)審判という裁定がなされる点では裁判手続きとしての性格ももつ (3)労働関係における専門的知識経験を有する者が労働審判員として審理や評議に加わる制度である――と説明。その上で、「この制度は企業にとっても有益なものといえる」との見解を示した。

最後に、元中央労働委員会使用者委員の深瀬義郎氏が、使用者委員に求められる役割について、自身の経験も交えて語った。

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全労委使用者委員連絡会議は、2000年11月に発足した全国の使用者委員を会員とする組織で、日本経団連が事務局を務めている。その活動の1つとして、労働委員会制度の概要や実務を勉強するための研修会を実施、今回が4回目の開催。

【労働政策本部労働法制担当】
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