日本経団連タイムス No.2743 (2004年10月21日)

特別法人税撤廃を

−連名決議を採択/130の経済・業界団体賛同


日本経団連(奥田碩会長)は19日に開催した理事会で、連名決議「企業年金積立金にかかる特別法人税の撤廃を求める」を採択した。今回の連名決議には、日本経団連をはじめ、日本商工会議所、経済同友会、関西経済連合会の4経済団体に加え、各地の経済連合会、地方経営者協会、業界団体など、130もの団体が賛同(19日現在)、参加団体は今後さらに増える見込み。今回の連名決議を踏まえ、日本経団連は、与党等で平成17年度税制改正に向けた検討が今月下旬より本格的にスタートすることから、各団体と共同歩調をとって、特別法人税の撤廃に向けた政府・与党への働きかけを強化していくこととしている。

○ 特別法人税撤廃はオール経済界の共通課題

日本経団連は9月に発表した「平成17年度税制改正に関する提言」9月23日号既報)の中で、特別法人税の撤廃を最重要課題と位置付けており、ほかの各団体の税制改正提言でも、同様の取り扱いとなっている。
そこで、平成17年度税制改正において、特別法人税を撤廃することが、経済界全体としての強い意思であることを内外に広く示すとともに、経済界として一致団結し、関係方面への働きかけを積極的に行っていくために、連名決議をとりまとめることとなった。
今回の連名決議に、全国の経済団体や、あらゆる業種の業界団体が名を連ねたことは、特別法人税の撤廃が、全経済界共通の重要課題であることを如実に示している。

○ 特別法人税は個人・企業の自助努力を阻害

連名決議では、特別法人税の問題点として、大きく2点、指摘している。

第一は、「サラリーマンの老後保障を損なう」ことである。
新しい企業年金制度(確定給付企業年金、確定拠出年金)が整備され、各企業は企業年金の改革を急ピッチで進めている。また、平成16年公的年金制度改革で厚生年金給付の減額が決められたことからも、企業年金の維持・拡充は重要な課題となった。
これに対して、サラリーマンの老後のための企業年金資産に課税する特別法人税(税率1.173%)は、企業・個人の自助努力を大いに損なうものでしかない。

第二は、「年金税制の原則に反する」ことである。
年金税制は、掛け金の拠出時・運用時は非課税、受給時に課税が大原則であるべきところ、特別法人税は資産の運用時に課税しており、この原則に反している。特に、平成16年度税制改正において、公的年金等控除の縮小などが決められた結果、企業年金は実質的に受給時に課税されることとなり、撤廃の機は熟している。
日本経団連は、こういった特別法人税の問題点などをわかりやすく説明したパンフレットを、日本商工会議所と共同で作成・配布し、特別法人税の撤廃への理解と協力を広く呼びかけている。

連名決議とパンフレットについての問い合わせは、経済本部税制担当(電話03―5204―1763)まで。

【経済本部税制担当】
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