日本経団連タイムス No.2748 (2004年12月2日)

改正労組法が成立


「労働組合法の一部を改正する法律案」が11月10日に成立、来年1月1日に施行される。この改正により、(1)審査を迅速にするため、各労働委員会で計画を作成し、期間の目標を設定して審査を進める (2)中央労働委員会や事件の多い都道府県の労働委員会では、多数の事件を処理できるよう公益委員全員での合議制を改め、5人の公益委員で構成する小委員会方式の導入を認める――ことなどが変更となった。

さらに、審査を的確に処理するため、労働委員会が当事者の申し立てまたは職権によって、証人等の出頭や証拠物件の提出を命令できるようになった。この点について日本経団連は、法律案要綱の段階で、労働法規委員会司法制度労働検討部会で対応を検討した上で、日本経団連推薦の使用者側委員を通じて、厚生労働省の労働政策審議会・労働委員会の審査迅速化等を図るための方策に関する部会において、「労働委員会では、命令が濫用されるおそれがある」と強く反対を表明。その結果、「物件の提出を命ずる処分をするかどうかを決定するに当たっては、個人の秘密および事業者の事業上の秘密の保護に配慮しなければならない」と法律に明示させるとともに、都道府県労働委員会の証人出頭命令または物件提出命令に不服があるときには中央労働委員会に審査を申し立てることができる措置が講ぜられることとなった。
ただし、労働委員会段階で証拠提出命令を受けても提出しなかった証拠は、裁判段階で提出できないとする新証拠提出制限が追加されている。

なお、今回の改正に伴う政令は12月1日に公布された。

【労働政策本部労働法制担当】
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