日本経団連タイムス No.2761 (2005年3月31日)

2005年度の公的年金積立金運用方針決まる

−日本経団連、分散投資促進方針を評価


厚生労働省は24日、公的年金積立金の2005年度の運用方針を発表した。同方針は、同日行われた社会保障審議会(厚生労働大臣の諮問機関)の年金資金運用分科会で了承され、社会保障審議会が厚生労働大臣に答申した。

それによれば、05年度の市場での運用額は04年度に比べて約2兆2000億円増加するが、住宅融資のために財政融資資金から借り入れていた資金を一括償還することなどにより、この新規市場投入額は04年度の5兆8000億円と比較して約6割減少する。市場運用における国内債券の割合は56%から52%に下げる一方で、国内株式は20%から21%、外国株式は14%から15%、外国債券は10%から12%に引き上げる。
また、財政融資資金への預託金が全額償還される08年度末の運用比率も見直し、08年度末で目標とする運用資産の構成割合は、国内債券が67%、国内株式が11%とそれぞれ1%引き下げ、外国株式が9%、外国債券が8%と1%ずつ引き上げる。

同方針については、日本経団連がかねてより株式を含む分散投資の重要性を主張しており、05年度の市場運用において、国内株式をはじめとする分散投資がより一層図られる方針となっていることに対しては、一定の評価をしている。
なお、厚生労働大臣が決めて年金資金運用基金に指示している運用方針は、今後、06年4月に設立される年金積立金管理運用独立行政法人が自主的に決定することになる。日本経団連としては現在の運用方針等が、新法人においても基本的に堅持されるよう働きかけていく方針である。

【国民生活本部社会保障担当】
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