日本経団連タイムス No.2775 (2005年7月14日)

アウスグリムソン・アイスランド首相が来訪

−「経済協力」など話し合い


日本経団連は11日、東京・大手町の経団連会館でアイスランドのハルドール・アウスグリムソン首相との懇談会を開催した。日本経団連からは、ヨーロッパ地域委員長を務める米倉弘昌副会長が出席、日本・アイスランド両国の経済協力のあり方などについて話し合った。

懇談の中でアウスグリムソン首相はアイスランド経済の現状について、(1)欧州連合(EU)には非加盟であるが、欧州自由貿易連合(EFTA)の一員としてEU加盟国との間でモノやサービスが自由に往来し、EU経済に組み込まれている (2)所得は伸びており、経済成長は年率5%と順調である (3)漁業国であり、かつては国際的に孤立した面もあったが、現在ではグローバル化や経済自由化の恩恵を受け、産業も多様化している――と説明。国際的経済政策としては世界貿易機関(WTO)の枠組みによる貿易・投資の自由化との同時進行で、EFTAを通じての自由貿易協定(FTA)締結に積極的に取り組んでおり、日本ともFTAを締結したいとの意向を示した。

これに対し米倉副会長は、日本もWTOの枠組みの中でモノ、サービス、カネの自由化を進めると同時に、2国間でのFTAやEPA(経済連携協定)締結を推進する政策をとっていると述べ、日本経団連もEPA締結などについて、政府を支援していることを説明した。

また、アウスグリムソン首相は地熱発電や水素発電のプロジェクトに対する日本からの投資などへの期待感を表明。米倉副会長は、日本でアイスランド・セミナーを開催することなどによって、「両国経済関係拡大のためにできる限りお手伝いしたい」と応じた。

【国際経済本部欧州・ロシア担当】
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