日本経団連タイムス No.2784 (2005年9月22日)

WTO新ラウンド交渉の推進を

−日本経団連など世界6経済団体が共同声明


日本経団連は6日、米国ビジネス・ラウンドテーブル、欧州ラウンドテーブル、カナダ経営者評議会、豪州ビジネス評議会、メキシコ・ビジネス評議会との連名で、WTO(世界貿易機関)の新ラウンド交渉(ドーハ開発アジェンダ)の推進を求める共同声明を発表し、ラミーWTO新事務局長はじめ各国のWTO交渉責任者にその実現を働きかけた。

日本経団連ではこれまで、各国の意見が収れんせず難航する新ラウンド交渉の推進に向け、諸外国の経済団体との間で共同意見書の発出、ジュネーブへの共同ミッションの派遣、閣僚会議での共同行動を行ってきた。今回の共同声明の契機は、7月7日、日本経団連とビジネス・ラウンドテーブル(ヘンリー・マッキンネル会長)の首脳が、5年ぶりにニューヨークで会談し、停滞するWTO新ラウンド交渉の打開に向け、年末の香港閣僚会議で交渉の大筋合意を図るべく、世界の経済団体と共同歩調をとっていくことで合意したことによるもの。
これを受け、欧州やカナダ、豪州、メキシコ経済団体の賛同を得て、9月のWTO新執行部発足に合わせ、今回の共同声明がなされた。

声明ではまず、「加盟国の政府関係者に残された時間は、わずか数カ月であり、新ラウンド交渉で世界経済の成長と発展がもたらされるものと大いに期待されたが、今やその希望がかなうかどうか、深刻な局面を迎えている」と憂慮を表明。
その上で、「WTOの新執行部と加盟国に託された使命は、香港閣僚会議までの残された数カ月の間に、期待を裏切ることなく、交渉を目に見える形で、真に前進させるべく、全力で取り組むことである」と言及。さらに閣僚会議では、2006年中に交渉を成功裏に終わらせるため、交渉を実質的に進展させる具体的内容を盛り込んだ大枠を決めることが重要と強調している。
また、交渉の成功には農業、非農産品(鉱工業など)、サービス、貿易の円滑化ルールなど主要交渉分野で、バランスのとれた質の高い合意を得られるかが課題とした上で、先進各国の政治的決断を求めるとともに、新ラウンド交渉が先進国のみならず途上国にとっても利益が大きいことから主要途上国に対して、交渉の進展へ一層貢献することを求めている。

今回声明に参加した6団体は21日、ワシントンでの国際CEOサミットにおいて、WTO交渉の重要性をアピールしたほか、12月の香港閣僚会議に向け、引き続き連携を図っていくこととしている。

【国際経済本部貿易投資担当】
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