日本経団連タイムス No.2785 (2005年9月29日)

EUビジネスマン日本研修プログラム/第24期研修生の歓迎レセプション開催

−日本企業の担当者らと熱心に意見交換や懇談


日本経団連は26日、東京・大手町の経団連会館において、駐日欧州委員会代表部との共催で、今年5月からEUビジネスマン日本研修プログラム(ETP)を受講している第24期研修生の歓迎レセプションを開催した。レセプションには、日本経団連の米倉弘昌副会長・ヨーロッパ地域委員長や、駐日欧州委員会代表部のベルンハルド・ツェプター大使をはじめとする両団体関係者のほか、さまざまな分野・業種の日本企業・団体から約50名が参加。第23期の修了生7名も出席し、6カ国28名の第24期研修生を歓迎した。

冒頭のあいさつで米倉副会長は、日本と欧州との関係は現在極めて良好であり、日欧のつながりをさらに深めていくためにも、人的交流の拡充は不可欠であると語った。その意味において、ETPが人材育成の面で日欧間の連携強化に果たしてきた貢献は、極めて大きいと指摘。さらに、「ビジネスのかなめは人と人との交流。ETPの役割がこれまで以上に求められる」と強調し、日本経団連としても引き続きETPを支援していく意向を示した。

続いてあいさつした駐日欧州委員会代表部のツェプター大使は、中国の台頭を重要視しながらも、現在大きな改革の中にある日本を看過することはできないと指摘。成熟したビジネス環境が整っている日本を介さずしてアジアビジネスの成功はないと強調した上で、ETPの研修生に対し、日本企業や日本のビジネス慣習を肌で知る有意義な機会に多くのことを学び、人脈を深め、研修修了後にはETPの経験を活かし、日欧ビジネスにおいて互いが勝者となるような連携を築いていってほしいと激励した。

ETP24期生からは、アンドレアス・クラフト氏が代表として、「ETPに参加できたことを誇りに思う。日本に大変興味を持つ者として日欧の関係を一層強化できるよう、がんばりたい」とあいさつ。語学研修半ばにもかかわらず、流暢な日本語を披露し、会場を沸かせた。
その後の自由懇談では、研修生が日本の企業や団体の人事・研修担当者らと熱心に意見交換や懇談をしている姿が見られた。

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ETPは、EU域内の企業から選抜した欧州の実務経験者に1年半の研修を行い、日本事情全般に精通した人材へ育成することが目的。これまでの参加者数は900名にのぼっている。研修期間中、最初の1年は日本語の集中学習を行うとともに、日本的経営の成り立ちや日本社会・文化の特性などについて学び、続く6カ月は、実地研修として日本企業に配属され、企業内研修を受ける。企業内研修での会話は日本語で行い、職場での直接体験を通じて日本のビジネスに対する知識と技能を習得する。日本経団連は、日欧経済関係の重要性にかんがみ、ETPに対する支援をプログラム開始以来行っている。

【国際経済本部欧州担当】
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