日本経団連タイムス No.2795 (2006年1月1日)

日本経団連など3団体、二階経産相と懇談

−持続的な経済成長への課題などで意見を交換


日本経団連、日本商工会議所(山口信夫会頭)、経済同友会(北城恪太郎代表幹事)の3団体は12月7日、都内のホテルで二階俊博経済産業大臣と経済3団体トップとの懇談会を開催した。同懇談会には日本経団連から、奥田碩会長ほか、10名の副会長も出席し、持続的な経済成長に向けての課題や日本経済の活性化に向けた政策などについて意見を交換した。

開会あいさつした奥田会長は、「小泉内閣による構造改革路線が実を結びつつあり、景気も回復基調にある。今後も改革路線を堅持し、安定的な景気の回復・拡大を期待している」と述べるとともに、新内閣を全面的に支援していくとの考えを示した。
これを受けて、二階経産相は、小泉改革推進には各分野において経済3団体からの多大な尽力があったと謝意を述べた上で、よりよい施策を展開していくためにも、日本経済の活力を第一線で支える経済界からの意見や協力を引き続きお願いしたいと語った。

懇談では、まず山口・日本商工会議所会頭が、(1)徹底した歳出の削減による財政再建 (2)持続的かつ信頼性の高い社会保障制度の確立 (3)少子化問題への対応 (4)経済連携の推進――に早急に取り組むことを求めた。また、まちづくり問題や政策金融改革に対する要望を述べた。
北城・経済同友会代表幹事は、新事業創造の課題について言及し、中小・ベンチャー企業へのリスクマネーの供給に関する課題点を挙げ、エンジェル税制の充実を訴えた。このほか、ASEAN全体との包括的経済連携の重要性も強調し、日本政府のリーダーシップの発揮に期待感を示した。
奥田・日本経団連会長は、BRICs諸国などの新興国家群の発展が本格化し、世界規模の競争が激化している点について触れ、日本が“勝ち残る”には、新しい成長戦略を描き、将来にわたって国を支える新しい産業の創出・育成が不可欠と述べた上で、(1)科学技術創造立国 (2)環境立国 (3)観光立国――の実現に向けた取り組みの重要性を強調した。また、企業のグローバルな競争環境の整備を指摘。WTOに基づく多角的自由貿易体制の維持・強化を通商戦略の基軸に据えつつ、日本にとって重要な国や地域との経済連携協定の早期締結を要望した。

経済3団体からの要望に対し、二階経産相は、税制や財政を考える時には経済を発展、拡大する必要があると指摘。経済産業省として、日本経済の活性化に向けて、新たな成長戦略を打ち出すため、積極的にビジネスの現場の声を聞くようにしたいとの意向を示し、経済界の協力を求めた。

【総務本部総務担当】
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