日本経団連タイムス No.2808 (2006年4月6日)

雇用委員会を開催

−「第8次職業能力開発基本計画」など厚労省の説明聴取


日本経団連は3月30日、東京・大手町の経団連会館で雇用委員会(大橋洋治委員長)を開き、草野隆彦・厚生労働省審議官(職業能力開発、国際担当)から、「現場力」の強化などを盛り込み、職業生活の準備期、発展期、円熟期のそれぞれにおける課題に対応する「第8次職業能力開発基本計画」(2006年度から10年度までの5年間が計画期間)について説明を受けるとともに、宮川晃・同省雇用保険課長から、雇用保険制度見直しに関する最近の動きについて説明を聴取した。

草野審議官は「第8次職業能力開発基本計画」を概説、(1)職業キャリア形成をめぐる問題の背景にある労働市場の変化(2)企業における人材処遇のあり方の変化(3)働く者の意識や働き方の変化(4)企業現場や社会の教育力の低下――などの構造的な変化に対応し、職業キャリア形成支援政策を本格的に進めていきたい意向を示した。
この新計画は、昨年から厚生労働省職業能力開発分科会で議論が続けられており、草野審議官は、3月29日の能力開発分科会で基本的な議論を終え、改正職業能力開発促進法の国会での審議を待って、計画を改定する予定であることを明らかにした。これまで日本経団連では、雇用政策検討部会で経済界の意見を集約し、審議会の場で、(1)基幹的役割を担う従業員、あるいは自ら能力向上に取り組む従業員に対して、重点的に投資することは当然であること(2)職業能力開発の責任を企業に一方的に押し付けない計画にすべきであること――などを主張してきた。

一方、雇用保険制度の見直しについては、宮川雇用保険課長から、(1)雇用保険制度の収支状況(2)雇用保険3事業の見直し状況――などの報告を受けるとともに、特別会計の改革を受けて、すでに3月3日の雇用保険部会で見直し議論が始まっていることなどが紹介された。
さらに、雇用保険3事業については、「特別会計の改革において、『廃止も含めた徹底的な見直しを行う』とされた」ことが紹介され、宮川雇用保険課長は、すでに「見直し検討会」を設置し、議論を進めていると述べた。

日本経団連としては、今後アンケートを実施するなど、雇用委員会を通じて意見集約をし、経済界の意見を制度改正に反映させていくこととしている。

【労働政策本部雇用・労務管理担当】
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