日本経団連タイムス No.2820 (2006年7月6日)

アフリカ開発支援に関する懇談会を開催

−政府の対応状況など聴取


日本経団連は6月21日、東京・大手町の経団連会館でサブサハラ地域委員会(坂根正弘委員長)を開催し、外務省の小田部陽一アフリカ審議官、経済産業省の平野正樹通商交渉官から最近のアフリカ情勢や開発支援に向けた政府の対応状況について説明を受け、意見交換を行った。

この中で小田部アフリカ審議官は、各地の内紛などアフリカの地域情勢に関する説明を行った後、「中国の積極的な外交が目立つ中で、日本としても今年4月末に小泉純一郎総理大臣がアフリカ(エチオピア、ガーナ)を訪問し、アフリカからは、今年に入ってから3カ国(マラウィ、カメルーン、ボツワナ)の首脳、南アフリカの副大統領が来日し、アフリカ諸国との関係強化に努めている」と述べた。特に小泉首相のアフリカ訪問では、歴代首相として初めてアフリカ連合(AU)本部を訪れ、AUとの対話およびアフリカ開発に対する日本の取り組みを説得力のある形で示したこと、他方、アルファ・ウマール・コナレAU委員長からは「対アフリカ支援は表明されても履行されないことも多い中で、日本は約束を実行する模範例である」との発言があったことなどが披露された。

また、平野通商交渉官からは、開発途上国「一村一品」キャンペーンについて説明が行われた。これは、途上国と先進国が協働してWTOドーハ・ラウンド交渉を成功に導くため、貿易を通じた途上国の開発促進を企図するもので、日本国内の主要5空港で途上国産品を展示・販売している「一村一品マーケット」などについて紹介があった。また、そのイベントの一環として9月2〜4日、東京・有明の東京ファッションタウンホールで開催されるアフリカン・フェアについて日本貿易振興機構(JETRO)から概説があり、それに関連して海外技術者研修協会(AOTS)が同時期に途上国から研修員を受け入れ、当該イベントと連携をとっていくとの報告があった。

これに対し日本経団連側からは、2005年に国際協力銀行(JBIC)がケニア、ウガンダ、タンザニアに対して作成、手交した投資政策提言書のフォローアップに関する質問や、日・南ア自由貿易協定(FTA)の可能性、またサブサハラ地域の開発や貧困問題の解決をめぐり、南アがコアカントリーとして果たす役割などについて発言があった。特に日・南アFTAについては、経済産業省から、高い関心をもって進めていく旨のコメントがあった。最後にアフリカ開発支援については、将来にわたって官民の連携が重要であり、引き続き情報交換していくことを確認した。

【国際第二本部中南米・中東・アフリカ担当】
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