日本経団連タイムス No.2823 (2006年7月27日)

経済広報センターが「地球温暖化」意識調査

−「関心がある」は96%、「京都議定書」の認知度は85%


日本経団連の関連組織である経済広報センター(御手洗冨士夫会長)は先ごろ、「社会広聴会員」を対象に実施した「地球温暖化に関するアンケート」の集計結果を発表した(有効回答数4161名、有効回答率83.0%)。
それによると、地球温暖化について「関心がある」が96%に達する上、「京都議定書」の認知度が85%に上っていることなどがわかった。同調査の結果の概要は次のとおり。

1.地球温暖化への関心度

地球温暖化について「非常に関心がある」と回答した割合は全体で43%。男性は半数を超え(53%)、女性も3分の1超だった(37%)。年代別にみると、40代以下は約3割、50代は約5割、60歳以上では6割強となっており、年代が上がるほど関心が高くなる傾向がみられた。また「ある程度関心がある」(53%)と合わせると「関心がある」は全体で96%に達した。
地球の平均気温が上昇し、都市でのヒートアイランド現象や世界的に局地的な豪雨や洪水が増加するなど、地球温暖化に対する社会的関心が広まった結果と思われる。

2.「京都議定書」の認知度

地球温暖化防止に関する国際的な取り決めである「京都議定書」の認知度は「よく知っている」との回答が全体で23%。男性は33%、女性は17%と、男性が女性の約2倍となっている。年代別にみると29歳以下17%、30代12%、40代16%、50代25%、60歳以上36%と30代以上では、年代が上がるに従って、関心が高くなっている。職業別にみると「会社役員・団体役員」が38%と最も高く、次いで「自営業・自由業」、「無職・学生・その他」が共に32%、「会社員・団体職員、公務員」が22%などの順であった。また「ある程度知っている」(62%)と合わせると「知っている」は全体で85%に上った。
認知度が総じて男性で高いのは、クールビズなど産業界での取り組みが、より男性に身近であることが一因と思われる。また、会社役員や団体役員の認知度が高いのは、環境問題が企業の経営や運営における課題の1つであるためと考えられる。

3.産業界の二酸化炭素排出量削減への取り組みについての評価

まず、工場など生産設備の省エネ化や使用する資源量の削減については「評価している(非常に/ある程度)」が72%であった。男女別では男性(81%)の方が女性(67%)より高く、年代別では年代が上がるほど高かった。国民の理解を得るためには、今後も産業界の広報活動を継続していくことが必要と思われる。
次に、省エネ型製品・機器や低燃費の自動車などの開発・販売について「評価している(非常に/ある程度)」は90%に達した。ハイブリッドカーや省エネ型製品は、広く国民に認知されていることから、男女間や年代間に回答の格差はみられなかった。
最後に、「環境報告書」などを通じた企業活動に伴う環境情報の公表について「評価している(非常に/ある程度)」は61%である一方、「わからない」が10%あった。「わからない」との回答を詳しくみると、男女別では男性の6%に対し、女性は13%であった。年代別では年代が下がるほど回答割合が高く29歳以下では17%であった。職業別では「パートタイム・アルバイト」「専業主婦」が高く、それぞれ16%と14%であった。「環境報告書」などを積極的に開示することにより、国民の理解はさらに増していくものと思われる。

4.地球温暖化防止策と普及の手段

日常生活の中で、地球温暖化防止について意識しているかとの問いに対し、「意識している(非常に/ある程度)」が全体で85%であった。この回答は男女間の差はほとんどみられないものの、年代が上がるに従い、回答割合が高くなり、60歳以上では93%に達した。
また、地球温暖化防止のために日常行っていることは(複数回答)、「冷暖房の設定温度に気を付ける」が81%と最多。次いで「こまめに消灯、家電の待機電力を減らす」76%、「ゴミの排出量を減らす」64%などの順で、身近なところから行っていることがうかがえる。
また、普及の手段としては(2つまで回答)、「家庭や学校などで教育する」が64%と最も多く、次いで「クールビズのような国や企業の運動展開」が40%であった。

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経済広報センターが組織する「社会広聴会員」は、さまざまな職種、世代で構成され、現在5011名を擁する。同センターでは毎年4回、経済・社会問題など折々のテーマについて社会広聴会員を対象にアンケート調査を行い、結果を公表している。
同アンケートの詳細に関しては、経済広報センター国内広報部(電話03―3201―1412)まで。

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