日本経団連タイムス No.2828 (2006年9月7日)

会計基準の相互承認求める

−八木企業会計部会長訪欧へ


日本経団連経済法規委員会の八木良樹企業会計部会長は9月17〜20日に訪欧し、欧州委員会、国際会計基準審議会(IASB)、欧州産業連盟(UNICE)、現地欧州企業を訪問し、会計基準に対する日本経団連の考え方に対する理解と協調を求める。

会計基準の統合(コンバージェンス)をめぐっては、米国と欧州の間の活発な動向に比べ、わが国は大きく後れをとっており、このままの状態では、日本の会計基準が他の市場で認められなくなるという懸念がある。
そこで、日本経団連は、6月20日に提言「会計基準の統合(コンバージェンス)を加速化し、欧米との相互承認を求める」6月22日号既報)を取りまとめ、各方面への働きかけを始めている。その結果、7月7日に閣議決定された骨太の方針では、「2009年に向けて会計基準の国際的な収斂を図る」旨が盛り込まれ、金融庁の企業会計審議会においても、日本経団連の提言とほぼ同様の内容の提言が取りまとめられるなど、わが国一丸となった取り組みが開始されつつある。
さらに、同審議会の意見書を受け、現在、企業会計基準委員会では、具体的なコンバージェンスの工程表を作成しており、9月中には欧州委員会へ提示する予定になっている。

日本経団連の提言は、海外の関係者からも注目されている。国際会計基準審議会(IASB)からは、日本経団連の提言を高く評価する旨の書簡が寄せられている。また、米国証券取引委員会(SEC)からは、コンバージェンスを支持するという日本経団連の考え方を支持する一方で、当面は、国際会計基準とのコンバージェンスを重要課題として推進していく旨の回答が寄せられた。わが国としては、当面、欧州が進める国際会計基準と日本基準の同等性評価の作業に対応することが重要課題である。08年に行われる予定の欧州委員会による最終評価において、日本の会計基準が国際会計基準と同等であるとの評価を得るためには、今後もわが国関係者が一丸となって一層強力な働きかけを行っていく必要がある。
八木企業会計部会長は、2日間の欧州滞在の中で、欧州委員会のデルゾー局長代行、IASBのトゥーディー議長、UNICEのドビュック事務総長らを訪問の予定。

【経済第二本部税制・会計担当】
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