日本経団連タイムス No.2829 (2006年9月14日)

日本経団連グリーンフォーラム、1泊2日で合宿講座実施

−講義やグループ討議通じ変革期のリーダー像探る


プロフェッショナルのコアスキルを学ぶことを目的に今年7月開講した「日本経団連グリーンフォーラム」が、8月30〜31日の1泊2日で合宿講座を実施した。講師は同フォーラムでアドバイザーを務める関島康雄・3Dラーニング・アソシエイツ代表。人材開発センター富士研修所(山梨県富士吉田市)を会場に、講義やグループ討議を通じて変革期のリーダーに求められるスキルなどを探った。

合宿初日の第1講座で関島講師は、90年代以降の経済環境の変化により、競争の内容やスピードが大きく変わってきた状況を紹介し、有効なビジネスモデルの形成にはマーケティングや経営戦略、リーダーシップなどが重要であることを指摘。さらに、現在のような変革期には「変化は当然」という企業文化の醸成が必要不可欠であり、企業には人材ポートフォリオを中心とした経営資源の組み替えや事業の選択、高台に登って全体を見渡してから徐々にはっきりしてくる「創発的戦略」が重要であることなどを、海外の状況を紹介しながら提示した。
また、個人レベルではエンプロイヤビリティやプロ意識、自律的キャリアをもって対応していくことが求められていること、その上で変革期のリーダーにはステップに従ってマネジメントのレベルを向上させ、環境変化に対応して生き残るための「変化を創造」していくことが重要であることを示した。
続いて、「リーダーの役割と必要とされるスキルはなにか」を課題に、グループごとに討議を行った。

2日目は、討議結果を踏まえ関島講師が全体を総括。その中で関島氏は、リーダーシップとは「リーダーへの信頼感を背景に、変化の方向を明示して動機づけ、ビジョンと戦略を用いることである」とし、信頼される変革期のリーダーたり得るためには「普段が大切」であることを強調。「高いレベルでの言行一致や修羅場といわれる経験を経ることなどが必要だが、リーダーシップは自分自身で育て、自得するもの。さまざまな経験を経てゆっくり熟成されるものであり、日々の努力を期待している」と参加者にエールを送った。

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日本経団連グリーンフォーラムは、実際の業務遂行力の向上をめざし、人材マネジメントスキルについて体系的に学ぶことを目的に、実践的なプログラムを作成。8月合宿を終え9月講座で「目標達成のためのコーチング」を、10月講座で「実践プロジェクトマネジメント」を学び、11月に前期の振り返りとまとめを行う予定。

【事業サービス本部研修担当】
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