日本経団連タイムス No.2834 (2006年10月19日)

06年「政策評価」説明会開催

−自発的政治寄付を、理解と協力呼びかける


日本経団連は13日、東京・大手町の経団連会館で、「2006年政策評価に関する説明会」を開催、会員企業・団体から約220名が参加した。同説明会では、日本経団連の政治への取り組みや9月25日に発表した「2006年政策評価」9月28日号既報)の評価内容を説明、会員企業・団体に対して政策評価とそれに基づく自発的な政治寄付への理解と協力を呼びかけた。

冒頭、宮原賢次副会長(政治・企業委員長)は、今回の政策評価は小泉内閣最後の1年を対象としたものであり、この間、日本の政治が大きく変わり、政策の重みが増し、政治主導で改革を推進するという機運も高まっていると説明。日本経団連の政策評価は、政策を軸に政党への支援を高めることを目的としたものであり、政策本位の流れをつくる上で重要な役割を果たしていると強調した。
さらに、グローバル競争の激化と少子・高齢化の中で、日本の活力を高めていくためには、政策本位の政治への流れをさらに強くする必要があると述べた。その上で、政策評価を参考にした政党への寄付は、政治の活性化を通じてよりよい社会を築くためのものであり、企業の社会的責任の一端として重要な社会貢献であると説明した。

続いて、前田又兵衞政経行動委員長が、2006年政策評価の取りまとめの基本的方針として、(1)評価期間は、2005年9月の総選挙後から06年9月25日までの1年間(2)評価対象政党は自由民主党と民主党の2党とし(3)昨年11月決定の優先政策事項の方向と対比し、A〜Eの5段階で評価するとともに(4)政策評価の発表に当たって、民間寄付を政策立案・推進能力の強化に充当し、政治資金の効率化と透明性の向上に努めることを改めて政党に要望したこと――を紹介した。

自民党の評価結果については、政策面で日本経団連とほぼ一致しており、昨年に比べ、評価は総じて上昇していると総括した。一方で、「社会保障」や「雇用・就労」などでは、抜本改革に向けた進展がみられなかったこと、また、国民投票法案や教育基本法案などの重要法案が、06年の通常国会で継続審議になったことを指摘した。
また、政策能力の強化の観点からは、従来のタテ割り組織ではなく、ヨコ串組織を機能させ、改革を指導したこと、政治資金規正法改正案を国会に提出し、成立に向けて努力したことは評価に値すると述べた。

一方、民主党の評価結果については、「政策の立案から実現までの過程で政党が主体的に関与した場合に評価する」との評価対象の定義に該当しないため、実績はすべて「―(横棒)」としたと説明した上で、「教育改革」など、優先政策事項の方向性と一致する分野もあるが、「環境・エネルギー」や「雇用・就労」などの分野では、日本経団連の考えと反する政策も推進しており、方向性が一致しない点もあると説明した。
また、民主党が4月の代表交代に伴って、「対案路線」から「対立軸路線」に転換したことについて、「党として明確で一貫した政策を示すことによって、与党との違いを明らかにしてほしい」と注文を付けた。

最後に前田委員長は、日本経団連の政策評価については、会員企業が、それぞれの関心や考え方に合わせて、参考材料として活用してほしいと述べ、改めて政策評価に基づく自発的な政治寄付の実施を呼びかけた。

【社会第二本部政治担当】
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