日本経団連タイムス No.2838 (2006年11月23日)

第45回全国社内広報大会開く

−推薦社内報・映像社内報を表彰


日本経団連の社内広報センターは9、10の両日、都内で第45回全国社内広報大会を開催した。全国各地から社内広報管理者・担当者約300名が参加、「輝く個をつなぐ社内広報へ―多様化時代に求められる一体感の醸成」を総合テーマに研究、討議を行った。今回は経営と従業員、従業員と従業員をつなぐという社内広報の原点を確認しつつ、さまざまな価値観を持つ従業員に対して一体感を醸成し、企業理念や経営課題を共有していくにはどうすればよいのか、“多様化”と“一体感”をキーワードに据え、分科会討議を中心に社内広報担当者のスキルアップを図った。

大会初日には、ベネッセコーポレーション会長の福武總一郎氏が、「企業の成長と文化戦略」と題して経営者講演を行った。冒頭、福武氏は、「時代の大きな転換期には、日本はどういう状況なのか、今まで会社で普通に行われていたことについても、立ち止まって深く考えることが大事である」ことを強調、「わが社は過去3回、CIによる経営の大幅刷新を行っている」と述べた。その上で20年近く企業活動と文化活動を行っている福武氏は「文化活動は企業の成長にとって、なくてはならないものと実感している」と自らの体験を振り返り、社内広報活動にも「文化」といった新しいテーマを積極的に取り入れるよう訴えた。さらに福武氏は、「社内広報活動は社風づくりを支援するものと考えている。どういう社風に変えるのかという前提がないと、単に社員にインフォメーションを送っているだけで終わってしまう」と、その代弁者としての社内広報担当者の役割を求めた。また「社内広報とは、社員や会社をいかに活性化させ、元気のある組織にしていくかを追求することであり、社内報をつくることだけに満足するのではなく、常に自分たちの置かれている役割を十分認識することが必要である」と社内広報担当者としての自覚を促した。

続いて、2006年「日本経団連推薦社内報・推薦映像社内報」の発表と表彰が行われた(詳細は別掲)。今回は優秀賞、総合賞、特別賞など44作品の社内報・映像社内報が入選、表彰状と記念品が編集責任者・担当者に授与された後、審査員である新日鐵化学総務部部長の辻邦博氏と社内広報アドバイザーの中澤章氏から応募作品の傾向の分析と講評が行われた。
一方、昼食・休憩時に設けられた「社内報クリニック」では、大会参加者の社内報批評が社内広報センター委員会委員によって行われた。また、今回入賞の社内報閲覧コーナー・映像社内報の視聴コーナーには多数の参加者が訪れた。

9日午後、10日の2日間にわたって開催された分科会では、コーディネーター(委員)指導の下、参加者は「基礎とスキル」「取材力」「文章力・表現力」「超企画力」「編集マネジメント」「社内広報戦略」「進化するメディアと社内広報」など、12分科会にそれぞれ分かれ、熱のこもった討議が繰り広げられた。例えば「編集マネジメント」では、社内報編集を成功させる条件として、社内報のミッションや方針、計画のもとに関係者をまとめ上げ、一体感のあるチームをつくり上げることが編集長の重要な役目であるとの考えに立って、分科会が進められた。まず参加者への事前アンケートによって得られた、(1)経営との連動(2)編集部員のモチベーション向上と育成(3)社内外協力組織との連動(4)編集長としての心構え――という4つのポイントに対して各社の課題を洗い出し掘り下げた後、本来あるべき理想の姿を議論。課題と理想とのギャップを埋めるためには何をすべきか、各人が改善方法を策定するという流れで行われた。

参加者からは「自社の課題と直結しており、非常に参考になった。他社の好事例から自社に足りない部分を多く学べた」との感想が寄せられ大変好評であった。
大会の締めくくりでは、「週刊ダイヤモンドのすべて―どうつくられ、どんな企画が好まれるか」と題したダイヤモンド社雑誌事業局部長で、『週刊ダイヤモンド』前編集長の湯谷昇羊氏の特別講演を聴き、閉会した。

【事業サービス本部社内広報担当】
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