日本経団連タイムス No.2839 (2006年12月1日)

御手洗会長記者会見


日本経団連の御手洗冨士夫会長は11月27日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

景気拡張期間が「いざなぎ景気」を超え戦後最長となった一方で、ここのところ消費がやや弱い動きとなっている要因について問われた御手洗会長は、長い間続いたデフレによる心理的影響、定率減税の縮減、社会保障負担の増大などが考えられると述べるとともに、雇用情勢は改善を続けていることから、やがて消費も上向くとの見方を示した。

一方、補正予算の編成に当たっては、財政再建の観点から、剰余金や税の自然増収分は基本的に国債の償還に充てるべきであるとの考えを示した。

法人税の引き下げについて御手洗会長は、法人実効税率を国際的にイコール・フッティングとなる水準まで引き下げることで、企業はイノベーションを実現し、競争力を強化することができると指摘、企業が活性化すれば、雇用の増大、消費の拡大にもつながるとの見方を示した。

また、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入について、日本経団連は、裁量性が高く、労働時間と仕事の成果が比例しないような仕事を行っている労働者に対して導入すべきと主張していると述べた上で、年収要件は、制度の濫用を防ぐボトムラインのセーフティーネットとして例示しているに過ぎないと語った。

【社会第一本部広報担当】
Copyright © Nippon Keidanren