日本経団連タイムス No.2840 (2006年12月12日)

ユドヨノ・インドネシア大統領歓迎昼食会開催


日本経団連(御手洗冨士夫会長)は、日本商工会議所(山口信夫会頭)、経済同友会(北城恪太郎代表幹事)、日本貿易会(佐々木幹夫会長)とともに11月28日、都内のホテルで、スシロ・バンバン・ユドヨノ・インドネシア共和国大統領の歓迎昼食会を開催した。同昼食会には経済界などから約160名が出席した。

御手洗会長、EPA早期締結へ尽力要請

冒頭、主催団体を代表して歓迎あいさつに立った御手洗会長は、インドネシアが日本の経済界にとって長年にわたる重要なパートナーであることを強調。特に日本にとってインドネシアが累積金額ベースでASEAN域内において最大の投資先となっていることや、インドネシアで事業活動を展開する日系企業が1000社を超えていることを指摘し、日本の経済界としては今後ともASEANの重要拠点としてインドネシアを重視し、投資の一層の促進に取り組むとともに、インドネシアの産業発展や人材育成に協力したいと述べた。
その一方で、ASEAN各国や中国などの東アジア諸国が積極的な投資誘致活動を展開している中、日本企業がインドネシアへの投資を拡大するには、インドネシアの投資・ビジネス環境をより一層、魅力的なものにしていくことが求められるとの考えを示した。
また御手洗会長は、ユドヨノ大統領がその卓越したリーダーシップによって津波による被害や原油の高騰などの困難を乗り越えるとともに、石油燃料補助金の削減など痛みを伴う改革を断行した上、官民合同投資フォーラムなどを通じて投資環境改善に向けた各種改革に精力的に取り組んでいることに深く敬意を表すると述べた。
日本インドネシア経済連携協定(EPA)が大筋合意に至ったことについては、日本の経済界としては付加価値の高い製品の貿易の自由化や高度な投資ルールを含む包括的なEPAの早期締結を待ち望んでいるところであり、改めてユドヨノ大統領のリーダーシップに感謝するとともに、引き続きEPAの早期締結に向けて尽力してほしいと要請した。

ユドヨノ大統領、日本企業の積極的投資促す

続いてあいさつしたユドヨノ大統領は、インドネシアの現状について、(1)民主化が進展している(2)経済も良好で、輸出の伸び率が約20%を示している(3)外貨準備高も記録的な高さを示している(4)株式市場がうまく機能している(5)昨年のGDPは年率で5.6%上昇しており、今年も同様な成長が予測され、10年以内には倍増すると確信している(6)インフレは抑制されており、その結果金利も下がり、為替レートも安定している――と説明した。その上で、インドネシアの今後の経済成長の主たる原動力は「輸出」「消費」から「投資」に変わると述べ、同国が投資政策や税制、関税法の見直しなどを柱とする改革プログラムを実施していることを紹介し、日本・インドネシア間での官民合同投資フォーラムへ日本経団連をはじめとする日本の経済団体に積極的に参加するよう求めた。
さらに大統領は、日本からの投資促進のための新しいイニシアチブとして、前記フォーラムの下で戦略的投資行動計画(SIAP)を策定し、税、税関、インフラ、労働、競争力・中小企業などの分野で投資環境の整備を進めていることに言及した。インドネシアの有望な投資分野として、インフラ整備、天然資源の持続可能な利用、高付加価値農産品、産業力強化、消費者市場のニーズへの対応などを挙げた。
日インドネシアEPAが大筋合意に達したことについては、2007年末までには協定が発効することを期待していると述べた。また、EPAが締結されれば市場アクセスが広がり、インドネシアのビジネス環境が大きく改善されるが、それ以上にEPAがさらなる協力と能力開発の手段となることに重要性を見出していると語った。
大統領は最後に、日本企業がインドネシアの成長や競争力拡大をめざすプログラムに多数参加することを期待すると述べ、日本とインドネシアは半世紀にわたり素晴らしい経済的関係にあったが、今後も素晴らしい提携関係を結んでいきたいと締めくくった。

【総務本部渉外担当】
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