日本経団連タイムス No.2860 (2007年5月24日)

御手洗会長記者会見


日本経団連の御手洗冨士夫会長は21日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

景気の見通しについて問われた御手洗会長は、当面は安定的な経済成長が期待できるとの見方を示した上で、機械受注は不振であるが、企業は依然として設備不足感を抱いており、設備投資意欲は根強いと語った。

個人住民税の一部を生まれ育った故郷の自治体に納める「ふるさと納税」構想については、ひとつのアイデアとしては良いとの感想を述べた上で、受益者負担原則との関係をどう考えるかなど、整理すべき点は多いと指摘。制度設計の議論をしっかりと行う必要があると語った。

また、独禁法改正論議に関して、政府の「独占禁止法基本問題懇談会」では、その設置趣旨にかんがみ、課徴金と刑事罰の併科の問題、あるいは審査・審判手続きのあり方など、本質的な問題について議論すべきであると強調。こうした問題に関する議論が進まないまま、課徴金の対象範囲の拡大、さらなる制裁の強化等に焦点を当てた議論が行われていることへの懸念を示した。

日・EUのEPAについて御手洗会長は、各国とのEPAのネットワーク競争に劣後しないためにも、ぜひ推進すべきとの考えを示した上で、日本経団連としても近々、EPAの促進に関して、提言を発表する予定であると表明した。

さらに、2005年7月の切り上げ以来初めてとなる、人民元の変動幅拡大については、為替の柔軟性が増したという意味で、評価したいと語った。

【社会第一本部広報担当】
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