日本経団連タイムス No.2866 (2007年7月5日)

2007年度企業人政治フォーラム総会開く

−07年度事業計画など承認、新会長に大橋氏選任/中川・自民党幹事長招き講演会も開催


日本経団連の企業人政治フォーラムでは、6月26日に、東京・大手町の経団連会館で2007年度総会を開催し、06年度事業報告・決算、ならびに07年度事業計画・予算を承認した。併せて、宮原賢次会長(前日本経団連副会長、住友商事相談役)の退任を受け、新会長に大橋光夫日本経団連評議員会副議長・政治対策委員長(昭和電工会長)を選任するとともに、役員の改選を行った。総会後には、自由民主党の中川秀直幹事長を招いた講演会を開催した。

企業人政治フォーラムは、1996年に設立され、企業人の政治意識の高揚と政治との関係強化を目的に活動を展開しており、2006年度は、政党幹部との対話促進、会員専用ウェブサイトの刷新などを中心に活動を行った。07年度は、(1)政治家や有識者との会合の開催(2)政治関連の情報収集のための調査活動(3)新ウェブサイトのコンテンツの充実――などに重点を置いた活動をしていくことを決定した。

大橋新会長は、「宮原会長の下での4年間は、日本経団連が政策評価をスタートさせ、社会貢献としての政治寄付を促進するなど、経済界が政治に対して大きく踏み出した時代だった。これまで当フォーラムの会合に何度か参加したが、企業人と政治家が、お互いの思いを率直に語り合い、相互理解を深めていくことができるという点で、このフォーラムに勝るものはない」「当フォーラムの活動を強化し、政治に関心を持つ企業人の裾野を拡げていきたい」との抱負を述べた。

総会後の講演会では、まず、日本経団連の御手洗冨士夫会長があいさつし、「参議院選挙を1ヵ月後に控え、自民党にとっては大変、厳しい状況になっている」「このような中だからこそ、責任政党として、日本の将来を見据えて、正面から改革を訴え、実現していくことが何よりも重要だ」と述べた。年金記載漏れについては、社会保険庁のずさんな業務運営のツケが一挙に噴出しているとした上で、「この問題の解消には、官民一丸となって取り組むべきものであり、日本経団連としても、社保庁への人員派遣等、会員企業に協力を求めている」と述べた。

これを受けて中川幹事長は、「年金記載漏れ問題に政府・与党は正面から責任を持って対応している。すべての加入者に年金の加入状況をお知らせし、国民の不安を解消するよう政府に働き掛けている。そもそもこの問題は、社保庁職員の怠慢から派生しており、民間ではとっくにつぶれていてもおかしくない組織と化している。政府・与党案のように、社保庁をいったん解体し、やる気のある職員のみ再雇用し、分割民営化することが必要だ」「公務員制度改革は、安倍政権が最も重視する改革の一つであり、各省の利権を伴う天下りの弊害を断ち切り、官民の有能な人材の交流促進を目的とするものだ。事務次官会議の反対を押し切って法案を提出したことからも、政治主導の改革の意欲が現れている」と述べて、今国会でそれらの法案を成立させることの意義を強調した。

なお、講演会後に開催されたパーティーには、甘利明経済産業大臣、若林正俊環境大臣、自由民主党から中川秀直幹事長、丹羽雄哉総務会長ほか幹部、公明党から太田昭宏代表ほか幹部が参加した。

【社会第二本部政治担当】
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