日本経団連タイムス No.2874 (2007年9月6日)

NICCがベトナムでセミナー開催

−組織内の効果的コミュニケーションとリーダーシップ開発をテーマに


日本経団連の関連組織である日本経団連国際協力センター(NICC、御手洗冨士夫理事長)はベトナム商工会議所(VCCI)の要請により、8月9日ハノイにてVCCIと共催で「組織における効果的コミュニケーションとリーダーシップ」セミナーを開催。水野基ノバルティスファーマ人事顧問が講師を担当し、現地のさまざまな企業・団体から66名の人事労務担当部課長が参加した。

NICCは人材育成を通じた国際協力事業の一環として、アジアの開発途上国の経営者団体と連携し、現地でのセミナーを開催しており、同テーマのセミナーをアセアン、南アジア諸国で実施してきたが、ベトナムでは今回が初めての開催となる。

社会主義経済から市場経済への円滑な移行を行ったベトナムは、今年初めWTOに加盟し、年率8%台の目覚ましい経済成長を遂げている。国営企業の民営化が進行する中で、企業での人材不足が徐々に深刻化しており、高まる離職率への対応、特に中間管理者と熟練工の確保が重要な問題となってきている。競争力の強化と生産性の向上が喫緊の課題であり、組織内のより効果的なコミュニケーションとリーダーシップ開発がそのカギとなっている。こうした現状の中、VCCIでも市場経済化に伴う人材育成のニーズに対応した、経営者の教育に重点を置いた研修事業を展開している。

「人間重視の経営」など

セミナーは、「人間重視の経営」「目標管理制度(MBO)」「コミュニケーション」「リーダーシップ」の四つのテーマに沿って進められた。「リーダーシップ」をテーマにした研修では、状況対応型リーダーシップを紹介したところ参加者が高い関心を示した。セミナー終了後の参加者へのアンケートでは、「受講によってリーダーとしての役割、コミュニケーションのとり方についての理解を深めることができた」「講師は日本企業の人間尊重に基づく経営や、リーダーとしての仕事や上司と部下とのコミュニケーションに必要な内容を具体的かつ詳細に教授してくれた」などの感想が寄せられ、好評であった。

NICCの一行と面談したVCCIのホアン・ヴァン・ズン常務副会頭は「ベトナムでは民間企業の経営者のための教育訓練の重要性が増しており、NICCの支援に感謝する。VCCIとしても日系企業の具体的なニーズに積極的に寄与できるよう努力していきたい」と述べた。

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