日本経団連タイムス No.2882 (2007年11月1日)

アンゴラと南アフリカに経済調査視察団派遣


日本経団連は、10月11日から18日の日程で、アンゴラと南アフリカに経済調査ミッション(団長=茅田泰三サブサハラ地域委員会企画部会長・小松製作所常務執行役員)を派遣した。ミッションは、メーカー、商社、銀行など幅広い業種の実務家のほか、外務省、経済産業省、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)といった政府機関からも参加があり、総勢50名となった。

南アフリカでは、プレトリアでデービス通産副大臣と懇談。南アフリカ政府の方針について、(1)南アフリカは、過去7年間4・5〜5%の経済成長を遂げており、今後も成長を維持するため、電力、港湾、道路整備などのインフラの整備に600億ドル支出する予定である(2)産業別では資本財、自動車、化学を発展させるとともに、雇用吸収力のある木材関連産業を育成したい意向である(3)南部アフリカ開発共同体(SADC)13カ国との協調関係を重視しており、来年8月にSADC自由貿易地域(FTA)の完成をめざしている――などの説明を受けた。

アンゴラでは、ジャイメ副首相、ダビッド工業相、ブランダォン運輸相、アンブロージオ鉱業副大臣など主要経済閣僚のほか、アンゴラ工業会とも懇談。実務家ミッションにもかかわらず、アンゴラ側の大歓迎を受け、日本企業への期待の大きさを実感した。

また、ソヨの石油・LNG基地や国立地雷除去院(INAD)の訓練センターも視察。一部団員は、実際に地雷が敷設されている地雷原も視察した。

アンゴラ経済は原油価格の高騰などで活況を呈しており、2007年の成長率は30%近くになる見込み。ダイヤモンドなど鉱物資源も豊富で、アンゴラはその潜在力を引き出すために、海外との連携強化と産業の多様化を模索している。重点分野はインフラ開発、人材育成、農業開発など。

日本の協力で有望とみられるのは、ODAを活用したロビト港とその関連施設(鉄道など)の改修事業等。また、アンゴラは世界で二番目に多く地雷が敷設されているといわれており、今後、地雷除去活動での協力可能性を探ってきた。

今後、外務省ともさらに議論を深め、企業の国際貢献とODAとの連携も視野に入れ、具体的方策を検討していく予定。

政府は、12月7日に「TICAD・日本アフリカ交流年協力推進協議会」(座長=米倉弘昌副会長、座長代理=坂根正弘サブサハラ地域委員長)の第1回会合を開催する。日本経団連でも、関係委員会を中心にアフリカ開発のあり方について議論を深めていく考えである。

【国際第二本部アフリカ担当・国際協力担当】
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