日本経団連タイムス No.2883 (2007年11月15日)

渡辺行革相と懇談

−独立行政法人整理合理化計画策定への取り組み/説明聴取し意見を交換


日本経団連(御手洗冨士夫会長)は10月31日、東京・大手町の経団連会館で渡辺喜美・行政改革担当大臣との懇談会を開催し、今年末の独立行政法人整理合理化計画の策定に向けた政府の取り組みについて説明を受けるとともに、意見交換を行った。

会合は、渡辺大臣からの要請を受け、行政改革推進委員会(前田晃伸委員長、大久保尚武共同委員長)が中心となって開催したものであり、草刈隆郎副会長、渡文明副会長ら約65名が出席した。会合ではまず、渡辺大臣から、今年8月10日に閣議決定された「独立行政法人整理合理化計画の策定に係る基本方針」の骨子についての説明があり、現在はこれに基づいて行政減量・効率化有識者会議を中心に101ある独立行政法人の見直しが進められており、年内を目途に「独立行政法人整理合理化計画」が策定・閣議決定される予定との紹介があった。独立行政法人(独法)は、「公共性の高い事務・事業のうち、国が直接実施する必要はないが、民間の主体に委ねると実施されない恐れのある事業を実施する」ものであり、「真に必要な事業以外は廃止する」「民間で実施できるものは民間で実施する」という原則に照らして見直しを進めているが、個別の独法のあり方についてはさまざまな意見があるとの説明があった。また各府省が提出した整理合理化計画案は行革の観点からはまだまだ内容が不十分であり、行政改革推進本部事務局のホームページ( http://www.gyoukaku.go.jp/ )上で国民の意見を広く募集していること、独法への天下りをなくすためには各府省の縦割り構造を是正する必要があり、そのために公務員制度改革にも同時に取り組んでいることなどを紹介した。

続いて行われた意見交換では、日本経団連側出席者から「組織の存在意義は時代とともに変化するものであり、民間では一定期間後に存在意義を見直すことは当然」「独法改革は公務員制度改革と密接に絡んでいる」「公務員制度改革も含めた国のあり方の改革として日本経団連では道州制を求めている」などの意見が出された。これに対して渡辺大臣からは「公務員制度改革は優秀な人材が誇りと情熱を持って働くために必要な改革」「政府では、(1)中央集権から地方分権へ(2)官僚主導から政治主導へ(3)結果の平等から機会の平等へ――という構造改革に取り組んでおり、その先に道州制がある」との発言があった。さらに、日本経団連側出席者から、「独法には特殊法人から移行したものもあるが、2001年に策定された『特殊法人等整理合理化計画』に明記されていたにもかかわらず実行されていない事項もある」「官民の役割分担が重要であり、国際競争力向上に向けた国の政策課題と独法の業務に整合性を持たせる必要がある」などの意見が出され、渡辺大臣からは「独法は各府省のものではなく国民共有のものであり、各府省の縄張り主義・縦割り主義を打破することが必要」「他の有識者会議等とも連携を取って改革を進めたい」との説明があった。

【産業第一本部行革担当】
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