日本経団連タイムス No.2883 (2007年11月15日)

日本・インドネシア経済委員会を開催

−両国の友好関係強化に向けて


日本経団連の日本・インドネシア経済委員会(興津誠共同委員長、辻亨共同委員長)は10月23日、東京・大手町の経団連会館で会合を開き、外務省ならびに経済産業省の幹部から、日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定および日インドネシア経済連携協定(EPA)の現状と課題、さらに「日本インドネシア友好年」実行委員会の活動状況や今後の予定について説明を聴くとともに懇談した。併せて、海外技術者研修協会(AOTS)から、日インドネシアEPAおよび日フィリピンEPAに基づく看護師・介護福祉士の受け入れに当たっての具体的課題について説明を聴いた。

去る8月下旬、AJCEP協定が大筋合意に至るとともに、日インドネシアEPAが署名された。また、来年2008年は日本とインドネシアの外交関係樹立50周年に当たることから、「日本インドネシア友好年」が実施される予定であり、両国の友好関係がさらに緊密化することが期待されている。今回の会合は、そうした情勢を背景として開かれたもの。まず、AJCEP協定について、外務省の大鷹正人経済連携課長は、交渉においてASEAN側の関心事項に対しきちんとしたオファーを示す一方、ASEANへ進出している日本企業が日本から基幹部品・素材を輸入する際にも特恵税率の適用を認める累積原産地規則を協定に含めることができ、おおむね満足できる結果であると評価した。今後、今月下旬に行われる日ASEAN首脳会議における最終妥結をめざし、08年中には発効させたいと述べた。

また経済産業省の田中繁広経済連携課長からは、AJCEP協定を皮切りにASEAN+6(日中韓印豪NZ)からなる東アジア包括的経済連携(CEPEA)や東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)など、ASEANをハブとした経済連携ネットワークの構築についても議論を進めていきたいとの発言があった。

次に、日インドネシアEPAについて、外務省の大鷹課長は、物品貿易については、実質的に日本からの輸出額の96%が無税化されることや、資源・エネルギーの安全供給確保の観点から、エネルギー・鉱物資源に関する章を協定に設けた点に触れ、日本がこれまで締結してきたEPAに比してそん色のない内容であると述べた。

続いて、日本インドネシア友好年について外務省の磯俣秋男南東アジア第二課長から、日本実行委員会としては友好年記念事業の実施に当たって、既存事業をできる限り有効活用し事業を展開する方針であるとの説明があった。中でも、教育、文化・草の根交流、経済の三つを重点分野とし、実行委員会で事業認定していきたいと述べた。これに対して興津共同委員長は、友好年記念事業を活性化すべく、今月中旬を目途に日本・インドネシア経済委員会メンバーからも事業に関するアイデアを出してほしいと要請した。

最後に、AOTSの金子和夫理事長から日インドネシアEPAおよび日フィリピンEPAに基づく看護師・介護福祉士の受け入れに当たって、受け入れ施設が不足している現状について詳細な説明があり、「都心部に適当な施設を保有している企業があれば、研修用施設として貸していただくようご協力願いたい」との要請があった。

【国際第二本部経済連携担当】
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