日本経団連タイムス No.2893 (2008年2月14日)

ベリシャ・アルバニア首相来訪

−アルバニアの投資先としての魅力を強調


アルバニア共和国の首相として初めて来日したサリ・ベリシャ首相が6日、東京・大手町の経団連会館を訪れ、佐々木幹夫副会長・貿易投資委員長と懇談、アルバニアの投資先としての魅力を強調した。懇談にはルルズィム・バシャ外務大臣、リドバン・ボデ財務大臣、ゲンツ・ルリ経済・貿易・エネルギー大臣も同席した。ベリシャ首相の主な発言は次のとおり。

■ 魅力を増す投資環境

アルバニアは、欧州の中心にあってEUとバルカン半島をつなぐ位置にある。2006年には、EUとの間で(EU加盟の前段階となる)安定化・連合協定を締結した。治安も良好で、若く勤勉で安価な労働力もある。アドリア海と地中海を臨む長い海岸線など観光資源も豊富である。

これらに加え、最近、個人所得税の累進性を廃し10%の均一税率を導入するとともに、法人税を25%から10%に引き下げた。また、アルバニアへの外国直接投資を促進するため、さまざまな手続きのワンストップ・サービスを推進している。さらに、外国投資家に対して、国有地を1平方メートル当たり1ユーロ、電気・水道など公共サービス等も1ユーロで提供する1ユーロ・プログラムを導入した。現在のところ、イタリア企業の投資が活発であるが、日本をはじめ諸外国からの積極的な投資を期待している。

■ 豊富な天然資源

アルバニアは世界第3位の産出量を誇るクロムをはじめニッケル、銅、金、ボーキサイトなど鉱物資源が豊富であり、現在、世界銀行との共同プロジェクトも進行中である。鉱物資源には欧州、北米、オセアニアの企業だけでなく、日本企業も関心を示している。また、水産資源にも恵まれており、マグロやアンチョビ(カタクチイワシ)を輸出している。今後は養殖業も発展させたい。

【国際第一本部欧州・ロシア担当】
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