日本経団連タイムス No.2896 (2008年3月6日)

日本NIS経済委員会、キエフで第1回日本ウクライナ経済合同会議開催

−安西委員長団長にミッション派遣/ティモシェンコ首相らと意見交換


日本経団連の日本NIS経済委員会では、2月20日から23日にかけて、安西邦夫委員長を団長とする総勢34名のミッションをウクライナへ派遣し、第1回日本ウクライナ経済合同会議を開催するとともに、ティモシェンコ・ウクライナ首相をはじめとする政府・経済界要人と意見交換を行った。

■ 記念すべき第1回合同会議の開催

ウクライナでは、22日、対日経済協力調整協議会との間で、第1回日本ウクライナ経済合同会議が開催された。会議には、ウクライナ側から同協議会会長を務めるダニリシン経済大臣をはじめ約30名が出席し、両国間の経済交流促進の方途について、日本側出席者と率直な意見交換を行った。

会議では、まず、2月のウクライナのWTO加盟承認が主要なテーマとして取り上げられた。日本側は、加盟承認を歓迎するとともに、法制度の安定性の確保や法解釈の統一、行政全般における透明性・整合性の確保、各種手続きの簡素化など、ビジネス環境の一層の改善を要望した。

ウクライナ側は、発電所、重化学工業等の設備更新による環境負荷軽減の計画や、大規模輸送インフラの整備計画等を紹介し、日本企業の積極的な参加を求めた。

また、科学技術分野において両国の協力が推進されつつある現状を双方で歓迎するとともに、日本側からは、ウクライナの経済発展に伴い、今後の金融取引の拡大に期待が示された。

■ ティモシェンコ首相との懇談

さらに、今回の代表団は、昨年12月に成立した新生内閣を率いるティモシェンコ首相と懇談した。首相は、エネルギーや通信分野の民営化推進にあたり、日本企業も民営化プロセスに参加できるよう努めるとした上で、自動車・コンピューター・電気製品等の現地生産や、大規模インフラ整備における日本との協力に強い期待を示した。

■ モスクワでも政府要人と意見交換

なお、キエフ訪問に先立ち、代表団はモスクワを訪問し、ロシア政府要人との意見交換を行った。その中で、コザク地域発展大臣は、極東ザバイカル発展連邦目的プログラムの枠内で計画されている極東での大規模なインフラ整備の推進にあたり、日本の参画に強い期待を表明した。

また、キリエンコ国営ロスアトム社長(元首相)は、ロシアでは原子力発電の拡大を計画しており、日本には、核燃料サイクルのあらゆる分野での協力を期待すると述べた。

【国際第一本部欧州・ロシア担当】
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