日本経団連タイムス No.2903 (2008年4月24日)

御手洗会長記者会見


日本経団連の御手洗冨士夫会長は21日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

御手洗会長は冒頭、同日開催した李明博大統領との懇談について、未来指向の日韓経済関係の構築に向けて、有意義な意見交換を行うことができ、日韓EPA・FTA交渉の早期再開に向けても、前向きな回答を得られたと報告。行く手には、克服すべき課題が少なからず待ち受けているが、日韓関係のさらなる発展に向け、両国は着実に歩みを進めるべきであると語り、韓国の全経連等と協力しつつ、全力で取り組んでいくとの意向を示した。

後期高齢者医療制度に関しては、今回の改正は、高齢者に医療給付を安定的に供給する方向で踏み出したものとの認識を示した上で、健保組合はじめ現役層の拠出金に多くを依存する仕組みは、持続可能性に疑問があり、公費投入割合を増やしていく方向で検討を進める必要があると指摘。「政府による周知が不十分で、説明不足と言わざるを得ない。国民の理解を得るための努力をもっと行う必要がある」と語った。

また、福田内閣の支持率の低下については、ねじれ国会の中で改革の進展に遅延が生じていることによるものと指摘する一方、福田総理はさまざまな政策課題に対し、前向きかつ真剣に取り組んでおり、今後、問題を一つひとつ解決していけば、支持率は回復していくとの見方を示した。さらに、ねじれ現象は諸外国では珍しいことではなく、困難な状況の中で、与野党が政策を前に進めるためのルールをいかに確立していくかが重要であるとの考えを示した。

【広報担当】
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