日本経団連タイムス No.2908 (2008年6月12日)

「自由民主党と政策を語る会」を開催

−税制改革などで意見交換


日本経団連は5月29日、東京・大手町の経団連会館で自由民主党と政策を語る会を開催した。自民党からは谷垣禎一政務調査会長、園田博之政務調査会長代理、津島雄二税制調査会長、野田毅地球温暖化対策推進本部委員長が出席、日本経団連からは、御手洗冨士夫会長、三村明夫副会長、森田富治郎副会長、前田晃伸副会長、氏家純一副会長、大橋洋治副会長、岩沙弘道副会長、大橋光夫評議員会副議長・政治対策委員長はじめ360名が参加した。

御手洗会長は冒頭、政治と経済は「車の両輪」であり、国民生活の向上と社会の発展に向けて前進する使命を持っていると述べた上で、「『ねじれ国会』という厳しい状況にあるが、グローバリゼーションの中で、日本だけが世界の改革の流れに、後れを取るわけにはいかない。今こそ、改革推進に向けて政治と経済の協力をより一層、強固なものとする必要がある」「日本経団連ではこの一環として、政策評価に基づく政治寄付を促進し、政策本位の政治に協力していく」とあいさつした。

続いて自民党の谷垣政調会長が、福田政権は新たな施策・方針を打ち出す段階に来ていると指摘、「高齢者でも意欲と健康が続く限り現役であるという社会をつくり上げたい」「世代間の『絆』づくりにも真剣に取り組んでいく。若者に希望を与えることも重要だ。このためには、内需拡大が不可欠である」と説明した。また、「2011年までにプライマリーバランスを回復するという目標も達成しなければならない。歳出削減に取り組んでいるが、そろそろ歳入の議論をすべき時に来ている」との考えを示した。園田政調会長代理は、道路特定財源の一般財源化に関する与野党協議では、良い結果を導こうという建設的な雰囲気はまだないとの見方を示した上で、「一般財源化した以上、道路以外にも使えるようにはなるが、その際には国民の理解を得ることが不可欠だ。納税者との意見交換を通して具現化していくことが必要だ」と述べた。

また、津島税調会長は、「社会保障制度が現在、危機的状況にあるという日本経団連の認識はわれわれと共通である。多くの人が認めるとおり、消費税等、税制の見直しは重要な選択肢の一つである。引き続き辛抱強く、国民に語りかけて、結論を出したい」と発言。野田地球温暖化対策推進本部委員長は、当面の争点の一つは、2020年ごろを目途にCO2削減の数値目標をどう設定するかであるとした上で、「ポスト京都議定書の国際的枠組みにおいては、米国、中国、インドを含むすべての排出国の参加を確保することが不可欠。この観点から日本として、どの段階でどのような数値目標を提案するのが効果的かを慎重に考えねばならない」との見解を示した。

日本経団連からは、「中国がポスト京都議定書に本格的に参加するよう、強く働きかけてほしい」(三村副会長)、「究極の構造改革である道州制の導入の実現を図るべく、政権与党としてリーダーシップを発揮してほしい」(前田副会長)、「安定的な社会保障制度を確立していくためには消費税の引き上げが必要だ。一日も早く、税制抜本改革の議論を開始してほしい」(森田副会長)、「国民の大多数は子や孫の世代の日本を心配している。政府与党には日本の将来・未来の姿を明確に示し、未来のために今やるべきことをきちんと説明してほしい」(大橋副議長・政治対策委員長)などの意見が示された。

【社会第二本部政治担当】
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