日本経団連タイムス No.2911 (2008年7月3日)

スカイヨーラ・イタリア経済開発相来訪

−御手洗会長と意見を交換


日本経団連の御手洗冨士夫会長は6月9日、東京・大手町の経団連会館で、イタリア共和国のクラウディオ・スカイヨーラ経済開発大臣と懇談した。スカイヨーラ大臣の発言要旨は次のとおり。

日本企業にイタリアへの投資要請

3年前来日した折には、奥田前日本経団連会長を訪問し、日本とイタリアの産業レベルでの協力を進めていきたいと話し合った。その後、両国の協力は順調に進んでおり、アパレルやワインなどの分野に加えて、イタリアの航空宇宙防衛大手による日本支社の開設、イタリアの電力大手と日本のメーカーとの太陽光発電に関する事業提携合意などの具体例が見られるようになった。他方、両国間の貿易は期待したほど伸びていない。イタリアの企業は日本においてしばしば困難に直面しているとも聞いている。

このような中で、昨年日本で実施したイタリアの産業、技術などを紹介する行事「イタリアの春」は大成功を収めた。イタリアが、文化・芸術面にとどまらず、産業・技術面でも非常に魅力的な国であることを日本の方々によく理解いただけたのではないかと思う。これが追い風となって両国関係のさらなる深化の機運が高まることを期待している。来年秋には、イタリアの産業に焦点を絞った「イタリアの秋」の開催を予定している。日本企業には、イタリアへの投資を真剣に検討いただきたい。全面的に歓迎する。

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これに対し、御手洗会長からは、「イタリアの秋」への協力を約束するとともに、今年5月から両国政府間で交渉が始まった社会保障協定の早期締結や日・EU経済連携協定(EPA)締結の必要性を訴えた。スカイヨーラ大臣からは、(1)社会保障協定については、交渉の進捗状況を確認したい。滞在許可証の発行についても改善のための話し合いが始まっている(2)日EU・EPAについては、他のEU加盟国とも話し合い、円滑に進むよう努力したい――との発言があった。

【国際第一本部欧州・ロシア担当】
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