日本経団連タイムス No.2915 (2008年7月31日)

第3期日本経団連グリーンフォーラム、受講者30人参加し合宿講座

−「変革をつくるリーダーシップ」テーマにグループ討議など展開


企業の課長クラスを対象にした第3期日本経団連グリーンフォーラムの合宿講座が18、19の両日、都内で開催され、受講者30人が参加した。「変革をつくるリーダーシップ」をテーマに、講師は関島康雄アドバイザー(3Dラーニング・アソシエイツ代表)が務めた。

初日の第1講座ではまず、イメージすることの重要性を認識するため、受講者が2人1組になり「5年後、あなたは何をしていたいですか?」について3分間で説明する、イメージトレーニングを行った。

その後、関島氏が、1990年以降、グローバル競争のあり方と速度が変わり、それに伴い世界の企業の経営戦略も変化したことなどについて解説。こうしたビジネス環境の変革期にはリーダーシップが特に求められ、リーダーシップと併せてマーケティング、企業戦略の3つが大切であることを指摘した。

また、ビジネスモデルの成功例として、ディスカウントの小売業であるウォルマートを取り上げ、「同社がアメリカの地方の小さな町に小規模な店を出す理由は何か」という質問を提示。その理由として、(1)その地域に競争相手がほとんどいない(2)出店にかかる経費が都市と比べ安くて済む(3)今後、競合他社が出店する可能性が低い――などを挙げながら、ビジネスモデルによる競争が必要であることを指導した。

第2講座では5人ずつ6グループに分かれ、「リーダーの役割と必要なスキルは?」をテーマに、グループごとにリーダー像を探るための討議を実施。最後に「リーダーに求められるスキルを1つ挙げれば何か」という問いに、各グループから交渉力、決断力、人心把握力、問題解決能力、人格・人望、求心力、新しい価値を示す力――などが挙がった。最後に、変革期のリーダーについて関島氏は、「遠くを指し示す旗が立てられる人、目標に向かってメンバーを勇気付けられる人でなければならない」と強調した。

2日目の第3講座は「リーダーシップの育て方」がテーマ。育て方として、(1)経験を振り返る(2)経験から教訓を引き出す(3)次のステップを計画する(4)経験する――の4つのフェーズを繰り返す必要があることが示された。また、混同されがちなリーダーシップとマネジメントとの違いについて関島氏は、「マネジメントは複雑な問題に対処すること、リーダーシップは変化を創造することで、この2つは基本的に違うものであり、分けて考えることによって、よりリーダーシップの本質がわかる」と示唆した。

最後の第4講座では、6人ずつ5グループに分かれ、これまでの人生で、自分の人格形成に影響を与えた具体的な出来事をひとつの物語にして話すという演習を行った。この演習のねらいは、自分の価値観について起承転結をはっきりさせて説明することが仕事をする上で必要であり、それを身に付けることである。受講者は30分間で自分の物語をまとめ、まずグループ内で一人ひとりが発表、その後、各グループから代表者2人が全員の前で発表し、合宿研修は終了した。

【日本経団連事業サービス研修担当】
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