日本経団連タイムス No.2918 (2008年8月28日)

経済広報センターが道州制に関する意識調査

−道州制の議論を進めること、「賛成」39%、「反対」12%
/雇用や医療関連テーマに関心が高く効果を期待


経済広報センター(御手洗冨士夫会長)はこのほど、「道州制に関する意識」調査結果を発表した。それによると、(1)道州制の議論を進めることに「賛成」が39%、「反対」が12%、「どちらともいえない/分からない」が48%(2)道州制の導入で特に期待される効果としては「独自の産業振興策が展開され、雇用が創出される」が64%、「地域医療・介護の体制充実が図られる」が61%で、雇用や医療関連テーマへの関心が高い(3)道州制導入に向けて当面必要となる改革としては「地方分権改革の実現(国から地方への大幅な権限の移譲)」が71%、「地方公共団体の行財政能力の強化」が50%――という結果となった。同調査から道州制の考え方や役割、効果などについて具体的に例示していくことで、生活者の道州制へのイメージがより明確になることがわかった。

同調査はインターネットで回答可能な社会広聴会員を対象に5月に実施、1999人から回答を得た(有効回答率65.5%)。概要は次のとおり。

■ 道州制の議論を進めること

道州制の議論を進めることについて、「賛成」が39%で、「反対」の12%を大きく上回っている。一方で、「どちらともいえない」(34%)、「分からない」(14%)の合計が48%とほぼ半数に達している。

男性は「賛成」が60%、「反対」が9%、女性は「賛成」が23%、「反対」が15%で、「どちらともいえない」「分からない」の合計が男性31%、女性が62%であることを加味すると、男性の方が道州制の議論について関心が高く、肯定的である。

「賛成」は世代が上がるにつれて高くなっており、「反対」は世代が上がるにつれて小幅ではあるが低下している。また、「どちらともいえない」「分からない」の合計は、若年層ほど高くなる傾向がある。

道州制の考え方「評価できる」44%

■ 道州制の考え方

道州制の考え方については、「評価できる」が44%で、「評価できない」の17%を27ポイント上回っている。「どちらともいえない」は39%で、前項「道州制の議論を進めること」より9ポイント低下した。これは考え方を示したことで、道州制へのイメージがより明確になり、判断しやすくなったためと思われる。

■ 道州制の導入で期待される効果

道州制の導入で期待される効果について、「非常に期待できる」(8%)と「やや期待できる」(36%)を合わせると44%となり、「あまり期待できない」(29%)、「全く期待できない」(4%)を合わせた33%を11ポイント上回っている。

男性は、「期待できる(非常に/やや)」が58%となり、「期待できない(あまり/全く)」の24%を大きく上回っている。女性は、「期待できる(非常に/やや)」が33%となり、「期待できない(あまり/全く)」の40%を下回っている。

道州制の導入で特に期待される効果として、「独自の産業振興策が展開され、雇用が創出される」が64%、次に「地域医療・介護の体制充実が図られる」が61%となっており、雇用や医療関連テーマへの関心の高さを反映している。

■ 道州制のもとでの国の役割

道州制のもとでの国の役割については、「適当である」(15%)と「おおむね適当である」(64%)を合わせると79%、「適当でない項目がある」が8%となっている。

■ 道州制のもとでの道州、基礎自治体の役割

道州制のもとでの道州、基礎自治体の役割については、「適当である」(11%)と「おおむね適当である」(64%)を合わせて75%、「適当でない項目がある」が12%となっており、前項「道州制のもとでの国の役割」と同じ傾向が確認できる。

■ 道州制導入に向けて当面必要となる改革

道州制導入に向けて当面必要となる改革として、「地方分権改革の実現(国から地方への大幅な権限の移譲)」が71%と最も高く、「地方公共団体の行財政能力の強化」が50%と続いている。


同調査の詳細は、経済広報センター国内広報部(電話03‐3201‐1412)まで。

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