日本経団連タイムス No.2925 (2008年10月16日)

「企業に求められる新型インフルエンザ対策セミナー」を開催

−企業がとるべき対応策、解説と対策事例学ぶ


日本経団連事業サービスは7日、新型インフルエンザに対する企業各社の対策整備を支援するため、日本経団連と連携して、新型インフルエンザ対策に関するセミナーを開催。企業の担当責任者など225名が参加した。

新型インフルエンザについては、発生するかしないかではなく、いつ発生するかの問題であるということが専門家の間の共通認識となっており、しかもいったん大流行すると、人的被害はもちろんのこと、社会機能のマヒといった最悪のケースも想定される。そのため、今回のセミナーは、企業として、新型インフルエンザが発生した場合を想定して、被害をいかに最小限にとどめるか、また事業をいかに継続させるかといったことについて、(1)日本経団連の政策提言(2)国の政策・方針(3)企業対策事例(2社)の紹介――の3部構成で開催した。

最初の日本経団連の政策提言については、6月17日に日本経団連が提言した「新型インフルエンザ対策に関する提言」6月19日号既報)の概要を、日本経団連の今井克一経済第三本部長が説明した。

国の政策・方針については、7月31日に開催された厚生労働省の新型インフルエンザ専門家会議で取りまとめられた「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン(改定案)」について、厚労省新型インフルエンザ対策推進室主査の平川幸子氏が、同ガイドラインのポイント、特に感染予防策や、事業継続計画(BCP)の策定など事業者に取り組んでほしい点を中心に解説を行った。

企業対策事例については、日本ユニシスと日立製作所の各責任者から、両社の新型インフルエンザ対策について、それぞれ発表が行われた。

はじめに事例発表を行った日本ユニシスCSR推進部長の多田哲氏は、新型インフルエンザが企業や社会にとっていかに脅威であるかを説明するとともに、同社では国が想定する被害よりもさらに甚大な最悪のケースを想定してBCPを策定しており、具体的な行動計画もフェーズごとに細かく定めているといった点を紹介した。

続いて日立製作所リスク対策部長の小島俊郎氏が、感染拡大をスローにし、感染規模を小さくとどめる最も有効な方法は「動かない」ことであり、動かなくて済むように対策を考える必要があると説明。また依然として、社員の間に、新型インフルエンザに対する知識や理解に対する温度差があることから、社内のイントラネットでe‐ラーニングを実施し、一人ひとりの基礎知識を充実させ、温度差の解消に努めていることなどが紹介された。

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