日本経団連タイムス No.2930 (2008年11月27日)

第47回全国社内広報大会開く

−「イノベーションを加速する社内広報へ―キーワードは“本物”」を総合テーマに/全国から260名が参加


日本経団連事業サービスの社内広報センターは10、11の両日、都内で第47回全国社内広報大会を開催した。全国各地から社内広報管理者・担当者約260名が参加、「イノベーションを加速する社内広報へ―キーワードは“本物”」を総合テーマに研究、討議を行った。今回は、企業にとって重要なイノベーションを起こすためには社内広報担当者はどういう役割を果たすべきか、“本物”の担当者になるにはどうすればよいのかについて分科会を中心に話し合った。

大会初日、2008年度「日本経団連推薦社内報・推薦映像社内報」の表彰が行われた(受賞作品などについては3面に掲載)。今回は最優秀賞、優秀賞、総合賞、特別賞など総計49作品の社内報・イントラネット社内報・映像社内報が入選、表彰状と記念品が編集責任者・担当者に授与された後、審査に当たった辻邦博氏(社内広報アドバイザー)と中澤章氏(社内広報アドバイザー)から応募作品の傾向と講評が行われた。

“本物”とは何かを探る

次に、ノンフィクション作家の小松成美氏から「私が見た“本物”のアスリートたち」と題した講演があった。その中で小松氏は今年8月に開催された北京五輪で活躍した女子レスリングの吉田沙保里選手や女子ソフトボールの上野由岐子選手のことに触れた。小松氏は取材を通して彼女たちの輝かしい姿、真に崇高な誇り高い姿を見るだけでなく、その裏にある日々努力を重ね、苦しみから立ち上がる姿について具体的に語った。そして本物になるためにはメンタルな面での強さが大切なことを強調した。

さらに小松氏は、取材で出会ったトップアスリートたちについて「“自分”というものを決して見失わない人たちといってもよい」と述べ、「“自分”というものは日々揺れ動いているし、明日になれば変わるかもしれない。10年後には違う尺度になっているかもしれないが、トップアスリートたちは“自分”を変人といわれようともかたくなに曲げないものを持っている」と、元サッカー選手の中田英寿氏、大リーグ・マリナーズのイチロー選手などを引き合いに出しながら、20年間の取材活動から得た“本物”論を披露した。

続いて、午後から始まる分科会研修に入る前に大会テーマの趣旨、分科会のねらい、参加者の心構えなどについて、菊地美佐子・日本経団連事業サービス社内広報センター関東委員会代表幹事(三井物産広報部編集制作室長)が説明した。この中で菊地氏は分科会をコーディネートする社内広報センター委員会委員を紹介するとともに、分科会参加者に対し「ぜひ待ちの姿勢でなく、どしどし質問し発言する積極的な姿勢で臨んでほしい」と分科会参加への心構えを示した。

一方、昼食・休憩時には、「08年度日本経団連推薦社内報閲覧・推薦映像社内報視聴」コーナーを開設、多数の参加者が訪れた。

分科会で徹底討議

10日午後、11日の2日間にわたって開催された分科会では、同センター関東・関西委員会の両委員、委員OBが分科会コーディネーターとなり参加者を指導した。分科会テーマは「基礎」「文章力・表現力」「“超”企画力」「誌面レイアウト」「グローバル社内広報」「取材力」「社内広報戦略」「イントラネット社内報」「進化するメディアと社内広報」など、合わせて14テーマ。各分科会では参加者による、真剣な討議が繰り広げられた。

例えば「取材力」分科会では、日経BP社ベンチャー・サービス局長の渋谷和宏氏を講師に迎え、「取材力を強化するための7つのポイント」と題した講演を聴いた後、事前準備を行った上でインタビューする組と事前準備をせずその場でインタビューする組の2つのロールプレイングを実施し、取材相手について事前にきちんと調べることの重要性を体験した。また渋谷氏は「模擬座談会」の司会役を務め、座談会をうまくリードする進行の手本を示した。参加者からは「講義、実習のバランスがよく、講師のアドバイスも的確でとても勉強になった」「取材方法の改善すべき点や座談会の進め方がよくわかった」という声が聞かれ、大変好評だった。

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