日本経団連タイムス No.2935 (2009年1月22日)

連合との懇談会を開催

−雇用の安定と創出へ、労使で共同宣言を公表



あいさつする御手洗会長

日本経団連(御手洗冨士夫会長)は15日、東京・大手町の経団連会館で日本労働組合総連合会(連合、高木剛会長)との懇談会を開催した。日本経団連からは御手洗会長はじめ、副会長、評議員会副議長らが、連合からは高木会長はじめ会長代行や副会長ら、あわせて33名が参加し、今年の春季労使交渉をめぐる諸問題について意見交換を行った。

会合の冒頭、御手洗会長は、100年に1度といわれる世界同時不況に言及し、「経営環境が特に厳しいときこそ、労使ともに自社の経営実態を正確に把握し、中長期的な観点に立った議論を深めることが極めて重要になる」と述べ、労使が協調してこの難局を乗り切り、2009年を飛躍の年にしようと呼びかけた。

続いてあいさつした高木連合会長は、賃金の引き上げが景気回復にとっても大きなポイントとなるとの見解を示すとともに、深刻化する雇用問題について「労使で一緒になって汗をかいていきたい」と経営側に協力を求めた。

春季労使交渉の諸問題で意見交換

意見交換では、連合側から、実質賃金の維持向上による景気悪化の阻止と安定成長の実現に向け、企業内のミクロの分配論を乗り越え、働く者全体にとっての公正な分配論へ転換させていく必要があるとの主張があった。

一方、日本経団連側からは、経営環境が急激に悪化する中で、雇用の安定を重視した交渉・協議を基本とすべきであり、ベースアップの実施は困難と判断する企業も多いのではないか、また、ベースアップ以外の査定昇給、昇格昇給などについて、組合員もその重みを再認識してほしいとの主張があった。

最後に、経営側・労働側ともに、雇用の安定・創出策を速やかに講ずることが喫緊の課題であるとの認識に立ち、「雇用安定・創出に向けた労使共同宣言」について合意し、懇談会終了後、労使共同で公表した。

【労政第一本部労政担当】
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