日本経団連タイムス No.2937 (2009年2月5日)

ゴドマニス・ラトビア首相来訪

−ラトビア産業・経済の現況や今後の課題聴く



ゴドマニス首相

日本経団連の小林喜光ヨーロッパ地域委員会共同委員長は1月23日、東京・大手町の経団連会館でラトビア共和国のイワルス・ゴドマニス首相と懇談した。
懇談におけるゴドマニス首相の発言要旨は以下のとおり。

■ 今後はサービス産業の振興に注力

ラトビアの産業の歴史は長い。1910年代には欧州を代表する企業がラトビアに拠点を置いていた。ソ連時代には欧州最大規模のエレクトロニクス工場があった。ソ連からの独立を経て2004年のEU加盟に至る過程で重工業の割合が低下、代わりに物流等サービス産業のウエートが高まり、産業基盤が多角化した。企業は小規模であるが、輸出志向が強い。主要産業は木材加工、食品加工、繊維等であり、バイオ、医薬品など高付加価値産業の発展にも注力している。今後はオランダのように輸送等のサービスのウエートを高めていきたい。

■ 経済危機からの脱出が喫緊の課題

ラトビア経済は近年二ケタ成長を実現してきたが、西の欧州、東のロシア等CIS諸国への輸出という2つの成長の翼に問題が生じており、マイナス成長へと急降下している。安価で迅速かつ良質なサービスの提供などに力を入れると同時に、バブル崩壊後の経済危機から立ち直った日本の経験にも学びたい。

【国際第一本部欧州・ロシア担当】
Copyright © Nippon Keidanren