日本経団連タイムス No.2942 (2009年3月12日)

GUAM諸国外務次官と懇談

−投資環境整備状況などで/日本NIS経済委員会


日本NIS経済委員会(岡素之委員長)は2月19日、都内で、GUAM諸国のうち、グルジア、アゼルバイジャン、ウクライナの3カ国の外務次官から、各国の投資環境整備への取り組み等について聴くとともに、意見交換を行った。GUAMは、前記3カ国にモルドバを加えた4カ国の頭文字をとった地域機構であり、2006年5月から、(1)民主化の促進(2)安定的な経済発展(3)域内外の安全保障の強化(4)欧州統合のための協力――のため、4カ国共同での活動を展開している。

◆ グルジア‐改革への強い意欲を表明

グルジアのジャラガニア外務次官は、グルジアは強い意志を持って経済改革に取り組んでおり、07年に12%成長を達成するなど経済は力強い成長を続けていると強調した。同時に、法人税は15%、個人所得税も12年までに現行の20%から5%にまで引き下げる予定であり、諸外国とのFTA締結にも積極的に取り組むなど、法制面を中心に投資環境の整備を推進していることも紹介した。
他方で、日本からの直接投資は、グルジアに流入する直接投資総額の3%程度にとどまっていることを指摘、日本からの投資拡大への強い期待を表明した。

◆ アゼルバイジャン‐高い経済成長に自信を表明

アゼルバイジャンのアジモフ外務次官は、2年前に46%という驚異的なGDP成長率を記録するなど、アゼルバイジャンは急速な経済発展を続けており、世界的な金融危機による影響を考慮しても、今年も2ケタ成長を維持できるだろうとの見通しを示した。
また、近年の石油・ガス価格の高騰は経済成長の要因の一つであるが、GDPの約8割は、石油・ガス部門以外の民間部門によって創出されている点を強調した。

◆ ウクライナ‐日本との協力拡大を歓迎

ウクライナのホリン外務次官はまず、日本との間の貿易投資すべての面で進展がみられており、貿易額が過去4年間で約6倍に拡大したことを歓迎すると述べた。
また、道路、橋梁、空港、港湾等のインフラの建設および近代化プロジェクトが計画されているとして、日本企業の積極的な参加を呼びかけた。さらに、日本との協力の拡大が期待できる有望な分野として、京都議定書の枠内での協力に基づく環境関連プロジェクトを挙げ、この分野における日本の役割を高く評価した上で、省エネ技術、代替エネルギーの活用における日本企業との協力強化に強い期待を表明した。
最後に、GUAMのチェチェラシヴィリ事務局長が、今後もGUAM4カ国は共同で国際的な活動に取り組み、魅力ある投資先としてあり続けるとともに、その魅力をより効果的にアピールしていきたいと総括した。

【国際第一本部欧州・ロシア担当】
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