日本経団連タイムス No.2945 (2009年4月2日)

第3期修了式を開催

−日本経団連グリーンフォーラム



日本経団連グリーンフォーラム第3期修了式で
講話をする大橋チーフアドバイザー

企業の中核人材の育成をめざす「日本経団連グリーンフォーラム」の第3期生の修了式が3月13日、都内で行われた。

「義」の大切さを強調/大橋チーフアドバイザーが講話

冒頭、チーフアドバイザーを務める大橋洋治日本経団連副会長(全日本空輸会長)が講話を行った。この中で大橋チーフアドバイザーは、社長を務めた2001年からの4年間に、9.11米国同時多発テロや、01年11月の航空業界再編、SARS、鳥インフルエンザなどの経営危機に遭遇したが、その際の経営改革のよりどころとしたのが、自身の郷土・岡山の偉人である山田方谷(やまだ・ほうこく)であったことを明かした。山田方谷は幕末から明治期の陽明学者で、備中松山藩士。藩政改革を断行し、巨額の負債を償却したほか、財政危機を脱し、幕府の政治顧問を務め、大政奉還上奏文を起草した人である。大橋チーフアドバイザーは山田方谷の言葉のうち特に、「総じて善く天下の事を制する者は、事の外(大局)に立って、事の内に屈しない=狭い視野にとらわれない」「至誠惻怛(しせいそくだつ)=まごころ(至誠)といたみ悲しむ心(惻怛)があれば、物事をうまく運ぶことができる」「義を明らかにして利を計らず=正しい理念で経営に当たれば利潤はついてくる」の3つを紹介。その上で、「それぞれの企業にはそれぞれの義があり、それを肝に銘じて誠実に取り組むことが、経営者にとって常に大切な心構えである」と説いた。

続いてアドバイザーの関島康雄氏(3Dラーニング・アソシエイツ代表)が第3期の講座を振り返り、あいさつした。関島氏は、(1)せっかく身に付いた本を読む、議論をするという努力を今後も続けてほしい(2)自分が、がんばらなければ会社はつぶれると思って努力してほしい(3)変化の中心になってほしい(4)世界を視野に入れて行動してほしい(5)仕事を面白いと思ってほしい(6)フォーラムで形成されたネットワークを大切にしてほしい――と受講生を激励した。

その後大橋チーフアドバイザーが受講生一人ひとりに修了証書を授与。受講生からは、「非日常の時間の中で、素の自分を見つめなおすことができた。自分を変えるきっかけとしたい」「ここで得た知識、人脈をこれからも生かしていきたい」「自分を動かす方法について学ぶことができた」「業種を越えて、さまざまな考えに触れることができた」などの感想とともに、指導に当たったアドバイザーや講師に対して、きめ細かな指導に対する感謝の言葉が寄せられた。

修了式を終えた第3期受講生34名は、昨年6月の開講以来、2回の合宿を含む25講座とメンバー同士の相互啓発を通じて策定した行動計画「100日プラン」を実行に移し、講座の総仕上げに入る。

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日本経団連グリーンフォーラムは、組織や部門をリードできるプロ人材の育成を目的に、2006年に開講。企業の課長クラスのメンバーが、職場を活性化し、成果を生み出していくための具体的な方法論とスキルを体系的に習得するもので、座学だけでなく討議、事例研究、演習などを通じて、中核人材にふさわしい中長期的な視野と業務実践力を身に付ける。

2009年度の第4期は5月に開講する。詳細は日本経団連事業サービス研修担当(電話03‐5204‐1926)まで。

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