日本経団連タイムス No.2946 (2009年4月9日)

「2008年9月度退職金・年金に関する実態調査結果」を発表

−定年退職者(60歳)の退職金は2417万円


日本経団連は3月31日、隔年で実施している「退職金・年金に関する実態調査」の2008年9月度の調査結果を発表した。調査のポイントは、(1)標準者退職金は55歳・会社都合退職時で2232万円、60歳・定年退職時で2417万円(2)退職金基礎額と賃上げ額の関係について、「別建て」とする企業が71.5%(うち79.8%がポイント制導入)(3)現行退職給付制度の形態について、退職一時金と年金を併用する企業が71.3%(4)適格年金廃止(2012年3月末)への対応について、「まだ対応が済んでいない」とする企業が4割弱(39.2%)――などとなっている。同調査の概要は次のとおり。

1.標準者退職金‐会社都合

標準者(学校卒業後直ちに入社し、標準的に昇進・昇格した者)が55歳で会社都合退職をした場合の退職金は、管理・事務・技術労働者・総合職・大学卒では2232万円、同高校卒では2110万円、生産・現業労働者・高校卒では1900万円となっている。

2.定年退職者の退職金

標準者が60歳で定年退職した場合の退職金は、管理・事務・技術労働者・大学卒では2417万円、同高校卒では2303万円、生産・現業労働者・高校卒では1886万円となっている。

3.賃上げ額と退職金算定基礎額との関係

賃上げ額が退職金算定基礎額にどのようにはね返っているかをみると、「賃上げ額とは関係なく別建て」が7割超(71.5%)で最も多く、「賃上げ額の一部が基礎額にはね返る」「賃上げ額が全額基礎額にはね返る」がともに12.5%となっている。
また、「賃上げ額とは関係なく別建て」と回答した企業のうち、職能等級や勤続年数などを点数に置き換えて退職金を算定する「ポイント方式」が8割弱(79.8%)を占めた。このほか、賃金表とは別に退職金算定基礎額表を設ける「別テーブル方式」が12.0%などとなっている。

4.退職金給付制度の形態

「退職一時金制度と退職年金制度の併用」が71.3%で最も多く、次いで、「退職年金制度のみ」が14.2%、「退職一時金制度のみ」が12.3%となっている。
退職年金制度の種類については、「確定給付企業年金(基金型・規約型)」が56.1%と最も多く、次いで、「確定拠出企業年金」が35.0%、「適格年金」が32.1%、「厚生年金基金」が11.4%となっている。

5.適格年金廃止への対応

2012年3月末に予定されている適格年金廃止については、6割を超える(60.8%)企業が「すでに対応済み」とする一方、4割弱(39.2%)の企業が「まだ対応が済んでいない」と回答している。
そして、「すでに対応済み」とした企業の対応内容については、「確定給付企業年金(規約型)」への移行が41.5%、「確定拠出型企業年金」が39.4%、「確定給付企業年金(基金型)」が14.9%などとなっている。

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「退職金・年金に関する実態調査」は、退職金・年金の実態と退職金水準の動向を把握し、退職給付制度見直しの際の参考資料とするため、1973年から隔年で実施しているもの。今回の2008年9月度調査は、日本経団連企業会員と東京経営者協会会員会社2019社を対象に実施、265社から回答を得た(有効回答率13.1%)。

【労政第一本部労政担当】
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