日本経団連タイムス No.2948 (2009年4月23日)

新「経団連会館」竣工披露を開催

−経済活性化への拠点に/御手洗会長が決意表明


日本経団連は16日、東京・大手町に完成した新「経団連会館」において竣工披露を開催した。

竣工披露には会員企業・団体の代表者のほか、麻生太郎総理大臣、塩谷立文部科学大臣、二階俊博経済産業大臣、甘利明内閣府特命担当大臣をはじめとする多数の来賓など、約700名が出席した。

冒頭あいさつに立った御手洗冨士夫会長は、2007年4月の着工以来、2年という短い工期にもかかわらず、本日無事に竣工式を執り行ったと報告。そして、大手町を高い国際競争力を備えたビジネス拠点として整備するために、国が都市再生プロジェクトとして指定した大手町連鎖型再開発事業の第一陣となる、この国家的意義に賛同し、移転に踏み切ったが、新会館完成を目の当たりにし感慨もひとしおであると感想を述べた。

その上で、新会館建設にあたっては、ビジネスの中枢である大手町に立地することを踏まえ、耐震・耐火などの防災面を一層強化、さらに、省エネルギーを追求して環境に配慮したつくりになっていることを説明。また国際会議が可能な会議室を複数備えるなど、今後の再開発のモデルとして大きな役割を果たせるとの考えを示した。

御手洗会長はさらに、「日本経団連は4月27日から新会館で活動を開始する。21世紀の経済界活動を支えるのにふさわしい充実した機能を備えた新会館を拠点として、政策集団としての機能の強化と会員サービスの一層の向上に取り組み、経済の活性化に全力で取り組んでいく」との決意を語った。

麻生首相「タイミングよい竣工」


あいさつする麻生首相

来賓あいさつで麻生首相は、「いま日本経済は、世界同時不況の下で、かつてない状況に直面している。こうした大きな危機に対して、企業の間にも不透明感、閉塞感があふれている」と指摘。しかしその一方で「今回の危機というものは、世界の経済・産業をめぐる関係、いわゆる競争の構造を一変させる可能性を秘めている。オイルショックのときにチャンスと考えた人は一人もいなかったと思う。100年に1度の危機というなら、100年に1度の分かれ道に立たされていると、前向きに考えるのが経営者だ」との考えを示した。その上で、政府として過去最大規模の経済対策を取りまとめたことを強調。「目的の第一は景気の底割れの防止ということになるが、同時に未来への投資の第一歩でもあると考えている」と述べた。

日本の将来の経済については、「われわれ日本人は、額に汗して働くことをよしとしている。チーム全体として高い成果を上げていく組織力、これも日本が持っている大きな力の一つだと思う。こういった日本のものづくりの伝統や、強みを土台にした上で、新しい時代の成長モデルを構築したいと考えている。これは政府だけががんばるというのではなく、オールジャパンで取り組まなければならない」と述べ、こういった時期に新経団連会館を竣工したのはタイミングがよいと語った。

【新会館建設準備室】
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