日本経団連タイムス No.2956 (2009年6月25日)

日本経団連訪米ミッション派遣

−米国政府・経済界要人らと意見交換/日米経済協力の展望など



ロック商務長官(左から3人目)を訪問した訪米ミッション

日本経団連(御手洗冨士夫会長)は10日から12日にかけて、御手洗会長を団長とするミッションを米国・ワシントンD.C.に派遣した。同ミッションには、米倉弘昌評議員会議長、氏家純一、大橋洋治、岩沙弘道、西田厚聰の各副会長、長谷川閑史アメリカ委員長らが参加し、米国ビジネス・ラウンドテーブル(BR)首脳との間で会合を開催するとともに、オバマ政権の要人、有識者と米国の政治経済情勢や今後の日米経済協力の展望について、忌憚のない意見交換を行った。

■ 両国経済界の一層の協力強化を確認

BRとの会合では、(1)金融・経済危機への対応(2)多角的貿易体制の維持・強化(3)経済連携協定(EPA)への取り組み、(4)気候変動・エネルギー問題への取り組み――を議題として取り上げ、最後に両団体で共同声明を取りまとめた。

まず、BR側が、金融機関や一部の企業を対象とした公的支援に一定の理解を示す一方で、政府による介入の度合いや期間の厳格化を求めるなど、政府介入の長期化への警戒感も表明した。その上で、日米両国は景気刺激策の実施を通じた景気の早期回復をめざすことで合意し、回復後は速やかに財政規律の強化に努めることが重要との認識を共有した。

また、日米両国が保護主義回避に向けて引き続き協力していくことを改めて確認するとともに、世界経済の回復には、WTOドーハラウンドにおける野心的でバランスのとれた合意が不可欠との認識から、ラウンドの早期妥結が重要であることで合意した。

さらに、両国経済界は、日米EPAの締結を視野に入れ、日米経済連携の一層の強化をめざす方向で合意した。特に、来年は日本、再来年は米国がAPECの議長国を務める機会をとらえ、両国が協力してアジア太平洋地域の貿易・投資の自由化に向けてリーダーシップを発揮するよう、両国政府に求めていくことで合意した。

気候変動への対応についても、日米両国は米中印等、すべての主要排出国が参加する、公平で実効ある国際枠組の構築が不可欠であるとの点で合意したことに加え、BR側は、環境保全と持続可能な経済成長の両立の実現を強調し、両国は温室効果ガス削減技術の開発・普及が決定的に重要であるとの認識で一致した。

■ 米国経済は回復の兆しが見えるもののリスク要因は残る

また、サマーズ国家経済会議(NEC)議長、財務省幹部をはじめ、オバマ政権要人は、米国経済の回復の見通しについて、今年の第1、第2四半期を経て、金融市場の安定化をはじめ、米国経済の回復の兆しが見えてきているとしながらも、依然としてリスクは残されているとの慎重な見方を示した。特に、失業率の一層の悪化や商業不動産、消費者ローン分野における負債の増加等を懸念材料として挙げるとともに、これまで米国および世界経済を牽引してきた国内の個人消費については、今後、危機以前の水準に回復することは期待できないとし、当面、景気回復の速度は緩やかなものになるとの見通しを示した。

また、ロック商務長官は、アジア市場における米国製品のアクセス改善に強い意欲を示すとともに、知的財産権保護や気候変動問題等、グローバルな課題における日米協力の推進に強い期待を示した。

【国際経済本部】
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