日本経団連タイムス No.2968 (2009年10月1日)

企業には本業に関する対策実施を強く求める

−経済広報センターが「パンデミックに関する意識調査」結果を発表


日本経団連の関連組織である経済広報センター(御手洗冨士夫会長)は9月14日、「パンデミックに関する意識調査」の結果を発表した。同調査は、全国のさまざまな職種・世代で構成される「社会広聴会員」を対象に、世界的な大流行となっている新型インフルエンザについて、国の対応やマスコミ報道への評価、個人が実際にとった対策や企業に求める対策などを調査したもの。今回の調査は、インターネットによる回答選択方式および自由記述方式により8月下旬に実施、2179人から回答を得た(有効回答率70.4%)。調査結果の概要は次のとおり。

新型インフルエンザへの一連の国の対応、65%が評価

■ パンデミックの認知度

パンデミックについて、「知っていた」との回答は65%。これに、「聞いたことはあるが、正確には知らなかった」との回答26%を含めると、9割以上の生活者がパンデミックについては「知っていた」か「聞いたことがある」と回答している。

■ 国の一連の対応への評価

新型インフルエンザに対する国の一連の対応については、「高く評価する」(6%)、「ある程度評価する」(59%)を合わせて65%であり、生活者は、国の対応について一定の評価をしている。世代別にみると、「(高く/ある程度)評価する」との回答割合が最も高いのは60歳以上で、73%に達している。一方、最も低いのは29歳以下で、53%にとどまっている。

■ 国の対策についての評価

国が行った各対策について、「適切」との回答が多いのは、「国民への迅速な情報提供と注意喚起」「発生国などからの航空機、船舶の検疫体制の強化」「感染者および接触者への隔離措置、健康監視の強化」で、それぞれ55%、54%、52%となっている。
一方、「不十分」との回答が多いのは、「抗インフルエンザウイルス薬の備蓄・予防投与やワクチンの開発・製造」「医療体制の整備(発熱外来対応の充実、入院病床の確保など)」で、それぞれ77%、57%となっている。

■ 個人が実際にとった対策

個人が実際にとった新型インフルエンザ対策としては、「外出後のうがい、手洗いの徹底」が88%と最も多く、「咳エチケットの徹底」(65%)、「インフルエンザの状況に関する情報収集」(60%)が続いている。また「政府・自治体が出しているガイドラインなどのチェック」を行ったとの回答も27%あった。他方、「食料品、生活必需品の備蓄」を行ったとの回答は22%にとどまっている。
世代別にみると、29歳以下はほぼすべての項目において回答割合が低く、対策への取り組みが他世代よりも遅れている。

■ 企業に求める対策

今後、企業に求めるパンデミック対策としては、「感染による欠勤者が出ても、事業を維持・継続できる体制の整備」「従業員への問診、検診などの徹底(感染者の確認)」がともに52%で高く、次いで、「ラッシュアワーを避ける時差出勤や自家用車などによる出勤の促進」が49%となっている。一方、「日用品、食料品などの自発的な提供」は17%、「ボランティアなどへの積極的な人員の派遣」は4%にとどまり、生活者は企業に対して、本業に関わる対策の実施を強く求めている。

病原性強いインフルエンザへの対策、医療面の強化を期待

■ 新型インフルエンザをめぐるマスコミ報道

新型インフルエンザをめぐる一連のマスコミ報道については、「高く評価する」(4%)、「ある程度評価する」(54%)を合わせると58%となる。世代別にみると、「(高く/ある程度)評価する」との回答は60歳以上で高く、71%に達している。一方、29歳以下では42%にとどまっている。 また、マスコミ報道の量および内容についてそれぞれの評価を聞いたところ、量について「適切」との回答が多かったのは、「発生初期の報道」「個人がとるべき対策についての報道」で、それぞれ52%、47%となっている。また、内容について「(高く/ある程度)評価する」との回答が多かったのは、「発生初期の報道」「国内での感染発生・拡大の状況についての報道」で、それぞれ72%、65%となっている。
一方、「状況を定期的に整理しながら、分析や検証を加えた報道」「パニックを防止し、国民に冷静な対応を働き掛ける報道」は、量・内容ともに評価が低かった。

■ 病原性の強いインフルエンザへの対策

病原性の強いインフルエンザが発生した場合に、その被害を最小限に抑えるため、国に対して特に力を入れてほしい対策を聞いたところ、「抗インフルエンザウイルス薬の備蓄・予防投与やワクチンの開発・製造」との回答が約8割に達した。次いで、「医療体制の整備(発熱外来対応の充実、入院病床の確保など)」が67%となっており、生活者は、医療面での対策の強化を期待している。

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同調査の詳細は、経済広報センター国内広報部(電話03−6741−0021)まで。

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