日本経団連タイムス No.2970 (2009年10月15日)

農商工連携セミナー開く

−JAグループ・関西経済連合会と共催で



企業の事例紹介を聞く参加者

日本経団連は、JAグループ、関西経済連合会(関経連)とともに、8日、東京・大手町のJAビルで「農商工連携セミナー」を開催した。日本経団連は地域活性化と食料供給力の強化に向け、経済界と農業界との連携(農商工連携)を推進しており、その一環として今回のセミナーを開催したもの。当日は、企業関係者・農業関係者ら約150名が参加した。

冒頭、日本経団連農政問題委員会の小林栄三共同委員長が、「国民が必要とする食料を将来にわたって安定的に供給していくためには、農業を成長力ある産業として確立していくことが重要である」とあいさつ。

また、JA全中の冨士重夫専務理事が、直前までJA全国大会を開催していたことに触れつつ、JAは「農商工連携」を農業復権に向けた重要な取り組みと位置付けていると述べた。さらに、関経連の田辺貞夫理事は、農商工連携調査研究プロジェクトを立ち上げて意見書を取りまとめ、各方面への働きかけを行っていることを紹介。来賓として農林水産省と経済産業省の幹部からもあいさつがあった。

続いて、4企業から事例紹介が行われた。まず、ファミリーマートは、「地域ニーズ」をマーケティングの柱の一つとして位置付け、肉・野菜・調味料等の地産食材の活用や、地域有名店とのコラボによって需要開拓を図っていることなどを紹介。住友化学は、農業経営者に対し、農薬・肥料・農業資材に加えて関連技術や農産物販売のノウハウ等を提供し、農業経営を総合的に支援していることを説明した。

また、がんこフードサービスは、関西・九州を中心に契約農家から野菜等を購入することによって、顧客に対し、新鮮かつ安心な食品を提供していることを紹介。ぐるなびは、自社のネットワークを活用して、こだわりの食材を求める飲食店と各地域の農業生産者のマッチングを行っている事例等について説明した。

閉会にあたって、日本経団連農政問題委員会の廣瀬博共同委員長は、「すでに多くの企業がさまざまなかたちで農業との関わりを持っており、農業の競争力強化に向けた連携・協力の推進は、今後とも経済界が取り組むべき課題である」と述べた。

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会合後は、農商工連携の一層の普及・拡大を図るため、集まった企業関係者・農業関係者らの交流も行われた。

【産業政策本部】
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