日本経団連タイムス No.2971 (2009年10月22日)

安心で信頼できる社会保障制度確立へ提言

−制度改革の基本的考え方を明示


日本経団連(御手洗冨士夫会長)は20日、提言「安心で信頼できる社会保障制度の確立に向けて」を公表した。同提言は、社会保障委員会(森田富治郎委員長、井手明彦共同委員長)において、政府と建設的な政策対話を深めていくとの観点から、改めて社会保障政策に関する基本スタンスを取りまとめたもの。

まず総論として、持続可能な社会保障制度の構築と持続的な経済成長は表裏一体であると指摘し、税・財政・社会保障の一体改革、給付と負担の両面からの改革の必要性を主張した。また、改革の全体像を制度横断的に示し、具体的な道筋を明らかにするよう求めた。そのうえで、政府の掲げる諸施策について、公費対応の裏付けとなる財源設計を明確にし、早期に実現することへの期待を表明している。

次に、現行制度の綻びや人口減少社会の進行などを踏まえ、制度改革の基本的考え方を3点提示した。第一は、制度横断的な取り組みの必要性である。ICT(情報通信技術)を活用した社会保障番号の導入など、社会基盤を整備したうえで、制度全体を俯瞰して、適正な給付と負担の規模や財源のあり方を横断的に見直すよう求めた。第二は、安定財源の確保に基づく制度の中長期的な持続可能性の確立である。社会保障給付に対する公費投入を高める方向で再設計するとともに、実効性ある財源論を行うよう要請している。さらに消費税を主たる財源として社会保障費用を賄う方向で歳入改革を行い、今後5年間程度の税制改革の工程を明示するよう求めた。第三は、合意形成のあり方である。制度全体の基本設計は超党派で議論を尽くすべきとしている。

続く各論では、少子化対策、医療・介護、年金の各分野について、改革の方向性を提示した。主な事項は次のとおり。

<少子化対策>

<医療・介護>

<年金>

【経済政策本部】
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