日本経団連タイムス No.2973 (2009年11月5日)

前原国交相ら国交省幹部と懇談

−住宅、都市・地域政策や運輸・流通、観光など



あいさつする前原国交相

日本経団連(御手洗冨士夫会長)は10月29日、都内で国土交通省幹部との懇談会を開催した。懇談会には、国交省から前原誠司大臣、長安豊大臣政務官、三日月大造大臣政務官、藤本祐司大臣政務官らが、日本経団連から御手洗会長、米倉弘昌評議員会議長、副会長、評議員会副議長らが出席した。

冒頭あいさつした御手洗会長は、「国土交通省の担う政策は、インフラ整備、住宅、都市・地域開発、観光などいずれも経済社会活動を支える屋台骨である」と述べたうえで、前原大臣のリーダーシップによる活力と魅力あふれる国家の構築への期待を表明した。

続いてあいさつした前原大臣は、「人口減少、少子・高齢化、厳しい財政状況といったわが国が直面する制約要因のもと、特に国土交通省については公共投資を削減していかねばならない。一方、観光、航空、港湾、建設・運輸の国際化といった成長分野を伸ばしていくことが必要」と指摘した。そのうえで、「海外からの観光客を大幅に増やすための体制整備を行う。また、オープンスカイや羽田の24時間国際拠点空港化に取り組む。さらなる選択と集中により、国際競争力のある港の整備を進める。さらに、新幹線、高速道路、都市基盤など、わが国の優れた技術、ノウハウを海外に展開していく手伝いをしたい」と述べた。

■ 意見交換

意見交換では、日本経団連側から「上向きの兆しが出てきた住宅市場の底割れを防ぎ、経済全体の二番底を回避するため、内需拡大をもたらす住宅投資の促進に住宅税制が果たす役割の大きさを考慮し、後押しいただきたい」(渡文明副会長)、「民間の活力を活用して経済の成長基盤となる都市・地域づくりができるよう、各種の施策を講じることが必要。また、効率的に社会インフラの整備を進めるため、PFIの活用も重要」(岩沙弘道副会長)、「わが国の主要な港湾・空港が東アジアのハブとなるよう競争力を高めることが必要」(宮原耕治副議長)、「観光立国を実現するため、観光人材の育成、統計の整備、国際会議の誘致、海外へのPRなどの諸課題の解決が不可欠」(大塚陸毅副議長)などの発言があった。

これに対して、前原大臣から「住宅税制に関する経団連の意見を政府税調にしっかり伝えていきたい。PFI制度の活用について、早速、検討を開始したい。空港・港湾については、選択と集中により、中核的な拠点づくりを進めたい。全省庁を挙げて観光立国に取り組むべく、関係閣僚委員会を早々に立ち上げたい」とのコメントがあった。

【産業政策本部】
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