日本経団連タイムス No.2975 (2009年11月19日)

全国社内広報大会開く

−全国から約200名が参加


日本経団連事業サービス社内広報センターは5、6の両日、都内で第48回全国社内広報大会を開催した。全国から社内広報管理者・担当者約200名が参加、「今こそ社内広報−社員に勇気を 組織に活力を」を総合テーマに研究、討議を行った。厳しい経済情勢下、社内広報も予算削減、人員体制の見直しなどかつてない厳しい状況に置かれている。こうしたなか社内広報がなすべきことは何か、経営と現場の期待に応える社内広報とは何かを分科会を中心に学んだ。

大会初日、「今こそ社内広報−社員に勇気を 組織に活力を」と題して、社内広報センター委員会代表幹事である松枝健夫氏(パナソニック・コーポレートコミュニケーション本部広報グループグローバルコミュニケーション推進総括部長)が基調講演を行った。

◆「伝える」「動かす」発信をしているか

松枝氏は、難局下における社内広報の役割として、適時的確な情報を「伝える」ことの重要性を説いた。そのうえで単に「伝える」のではなく、タイミングよく伝えるべき内容が伝わるように発信できているかどうか、一度再点検してほしいと呼びかけた。また「タイミングの面でいえば、例えば年度の方針とか上期のスタートの際、経営トップのメッセージを発信するだけでなく、背景にあるねらいなどもしっかりと発信しなければならない。また、現場で抱えている問題や課題も掘り下げて伝えることが大切である」と、きめ細かい伝え方で理解・納得させることの重要性を説いた。

さらに「経営層が従業員に、従業員が経営層に、編集者が経営層や従業員に、改革への動機付けをして『行動』を促さなければならない」と、社内に共感者をつくり共感・行動へつなげていくことの重要性を指摘。「建前では人は動かない。私たちは足元の改革を目指して、一人ひとりのチャレンジを促さねばならない。改革が成功するかは、現場が動くかどうかにある。組織の末端から、従業員一人ひとりが変わったという話が出てきて初めて全体が変わっていく」と、改革が足元から着実に図られることの重要性を訴えた。そのためにも編集者自身が闘う編集者でないと社内報媒体は変わらないとして、改革は編集者の行動革新から生まれることを強調した。

◆分科会で徹底討議

2日間にわたって開催された分科会では、社内広報センター委員会関東・関西両委員がコーディネーターとなり、運営に当たった。「基礎」「超企画力」「戦略社内広報」「文章力・表現力」「取材力」「誌面レイアウト」「イントラネット社内報」など、テーマごとに10分科会に分かれ、真剣に討議が繰り広げられた。

例えば「戦略社内広報」分科会では、四天王寺大学教授の鍋谷史郎氏を講師に迎え、「戦略社内広報とは」と題した講演を聞いた後、京セラとTOTOの社内広報事例発表とそのまとめ、少人数でのグループワークを行った。

参加者からは「“戦略”が具体的イメージとして理解できた。自分自身が何をやらなければならないのか考えるきっかけとなった」「グループワークを中心に他社の事例や悩みを共有できた」などの声が聞かれ、好評だった。

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