日本経団連タイムス No.2976 (2009年11月26日)

御手洗会長記者会見


日本経団連の御手洗冨士夫会長は24日、東京・大手町の経団連会館で記者会見を行った。

日本経済の現状と政策対応について問われた御手洗会長は、景気は最悪期を脱しつつあるが、依然として厳しい状況にあると指摘。民間主導の自律的な回復過程に入るまで、財政と金融のバランスの取れた政策を切れ目なく適宜適切に講じていく必要があるとの認識を示した。

事業仕分けで科学技術関連予算が大幅に削減される事例が散見されることについては、科学技術は資源に乏しいわが国の成長の源泉であり、政治主導による復活を期待したいと語った。租税特別措置については、創設の趣旨に沿って機能しているかどうかで見直すのはよいと述べる一方、研究開発税制などは恒久化すべきとの見解を示した。

また、新卒内定率の低下について、現在の日本経済の深刻な状況を如実に表していると述べたうえで、長期的な企業経営のためには将来を見据え、一定数の新卒採用を行うことが必要であると指摘。新卒採用に努力するよう、会員企業に呼びかけを行うことを検討したいとの意向を示した。

ASEANミッションに向けては、「FTA・EPAの拡大を通じて、市場の拡大、貿易・投資の活性化を促していく必要がある。アジアの域内需要の拡大により、内需主導型の経済発展を図っていくことも重要である」と述べ、アジアの成長戦略について、3カ国の政府や経済界首脳と共通の認識を確立し、その成果を来年3月のアジア・ビジネスサミット、11月のAPECにつなげていきたいと語った。

【社会広報本部】
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