日本経団連タイムス No.2979 (2010年1月1日)

藤井財務相ら財務省幹部と意見交換

−景気対策、税、財政、社会保障など/御手洗会長らが出席


日本経団連は12月9日、都内で財務省幹部との意見交換会を開催した。懇談会には、財務省から藤井裕久財務大臣、野田佳彦副大臣、峰崎直樹副大臣、古本伸一郎大臣政務官、大串博志大臣政務官らが、日本経団連から御手洗冨士夫会長、副会長らが出席した。

冒頭あいさつした御手洗会長は、景気が二番底に陥らないよう、税、財政、金融など、あらゆる政策を総動員することが重要との認識を示すとともに、中長期的に経済を拡大させるために、骨太の成長戦略が不可欠と指摘した。

続いてあいさつした藤井大臣は、「経済なくして財政なし」という原則は必ず守っていくが、野放図な財政政策は行わない。12月8日に取りまとめた緊急経済対策は、日本経済のために必ず役に立つ内容になっていると述べた。

■ 意見交換

意見交換では、日本経団連側から、「社会保障の安定財源確保に向けた消費税率の引き上げ、国際整合性を踏まえた法人実効税率の引き下げを含む税制抜本改革の全体像を速やかに示し、国民の納得を得ながら実現を図ることが必要」(渡辺捷昭副会長)、「政府で検討中の地球温暖化対策税は、経済や雇用への悪影響が避けられず、導入に反対」(清水正孝副会長)、「緊急経済対策を高く評価している。また、中長期的な財政健全化目標の策定が重要」(氏家純一副会長)、「持続可能な社会保障制度の安定財源の確保が必要。子ども手当は公費で賄う必要がある。協会けんぽと健保組合との間の財政調整には反対」(森田富治郎副会長)などの発言があった。

財務省側からは、藤井大臣から「今はデフレ脱却の一点に絞って財政金融一体で政策を遂行する。消費税が基幹税であることは確かだが、税率引き上げの環境はできていない。この4年間は、行政の無駄の排除に取り組む」、野田副大臣から「緊急経済対策は景気、雇用、環境の3本柱に加え、円高、デフレに対処すべく積み増しをした」、峰崎副大臣から「年明け以降、政府税調に専門家委員会を設け、税制抜本改革の議論を行う」、古本政務官から「政府税調では、租税特別措置についてゼロベースで議論した結果、必要性が認められたものを存続させることとした」、大串政務官から「子育ては、社会全体で支えることが必要。また、国民皆保険を守るために、国民全体が同じ負担で同じ医療を受けられることが重要」などのコメントがあった。

【経済基盤本部】
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