日本経団連タイムス No.2980 (2010年1月14日)

新年祝賀パーティー開催

−日本経団連など経済3団体


新年祝賀パーティーであいさつする鳩山首相

日本経団連(御手洗冨士夫会長)、日本・東京商工会議所(岡村正会頭)、経済同友会(桜井正光代表幹事)の経済3団体は5日、都内のホテルで「2010年新年祝賀パーティー」を開催した。当日は、各団体の会員企業代表者や政界の要人など約1650人が出席し、賀詞を交換した。

冒頭、幹事団体である経済同友会の桜井代表幹事があいさつし、企業・国民・政府が、自主・自立・自己責任のもとにそれぞれ取り組みを進めることを強調した。

続いて、来賓として出席した鳩山由紀夫総理大臣が、現下の厳しい経済環境に言及したうえで、「わが国を再び成長の波のなかに戻すことができるよう、一緒に考えながら未来を切り拓いていきたい」と呼びかけた。また、緊急雇用対策に加えて事業費24兆円の『明日の安心と成長のための緊急経済対策』を策定したことに触れ、「国民の皆さまの活力を生み出すための日本の政治のありようを、われわれも模索していく」「健康長寿を謳歌する国づくりを進め、国民の生命を最優先に据える」との決意を示した。

鳩山総理はあいさつの後、参加者らと歓談した。

3団体長が共同記者会見

パーティーの後、3団体長は共同記者会見に臨み、景気の見通し、デフレ脱却のために求められる対策などについて、それぞれ見解を述べた。会見での御手洗会長の発言概要は次のとおり。

■ 2010年の景気見通し

個人消費は、経済対策の効果が期待されるものの、雇用情勢、所得環境が厳しいことから、力強さが見られない。設備投資は、企業業績の悪化や設備の過剰感が強いなかでは、慎重にならざるを得ない。公共投資も削減されている。デフレも当面続くと思われ、景気浮揚のきっかけに乏しい。こうしたことから、上半期は厳しさが残るだろう。
下半期は、世界各国の経済回復に伴い輸出、生産の伸びが期待される。また、子ども手当など家計を直接支援する政策の効果も出てくる。したがって、日本経済は緩やかに回復に向かうだろう。

■ デフレ脱却に求められること

成長戦略の実行が何より求められる。税制改正や規制改革の断行、イノベーションの推進、アジアとの経済連携強化などを図るべきである。当面は、第2次補正予算や来年度予算を通じ、雇用・社会保障のセーフティーネットの機能強化、即効性と継続性を兼ね備えた需要創出策に重点的に取り組む必要がある。
政府、日銀は、内外の経済情勢を注視し、緊密に連携を図りつつ、金融面でも適時・適切な対応をとってほしい。
企業としては、雇用の維持・安定に努めるとともに、新規事業・製品を開拓することで雇用の拡大を目指したい。

■ 2010年に求められる言葉

2010年は活力あふれる年としたい。漢字一文字でいうと「活」である。日本中の活力を総動員することができれば、今年は明るい年になる。

【総務本部、社会広報本部】
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