日本経団連タイムス No.2982 (2010年1月28日)

08年度福利厚生費調査結果で報告書取りまとめ

−企業の福利厚生費負担額、前年度比0.6%減少


日本経団連は昨年12月22日に、2008年度福利厚生費調査(第53回)の集計結果概要を公表し、1月21日に報告書を取りまとめた。主な内容は次のとおり。

現金給与総額は2.3%減

08年度における企業の福利厚生費負担額は、従業員1人1カ月当たり10万3311円、前年度比で0.6%減少した。福利厚生費のうち、社会保険料等の企業拠出分である「法定福利費」は7万5621円、企業が任意に行う福祉施策に要する費用である「法定外福利費」は2万7690円となり、前年度比でそれぞれ0.4%、1.1%減少した。

現金給与総額は57万2781円、前年度比2.3%の減少である。

法定福利費の減少の主な要因は、現金給与総額の減少である。ただし、厚生年金保険料が2017年まで毎年引き上げられるほか、高齢化の進行のなかで、法定福利費は増加する傾向にあり、総額人件費管理の観点からは重要な要素であることに変わりがない。

法定外福利費は各企業において、限られた原資のなかで、見直しが行われた結果となった。

具体的には、大項目のうち、費用が減少したのは、「住宅関連」(1万3211円、前年度比1.9%減)、「文化・体育・レクレーション」(2208円、同0.7%減)等であり、その一方で費用が増加したのは、「医療・健康」(3098円、同5.3%増)「ライフサポート」(6504円、3.3%増)であった。「ライフサポート」のうち、育児関連費用は7年連続で伸びており、今回の調査では、前年度比51%の伸びを示した。

「文化・体育・レクレーション」は大項目では費用が減少したが、自己啓発に関する費用補助などである「活動への補助」は1068円、前年度比1.8%の増加となっている。

なお、住宅関連費用は、法定外福利費のなかで最も額の大きい項目であるが、各企業において、見直しが続いており、法定外福利費に占める割合は減少する傾向が続いている。

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日本経団連福利厚生費調査は、1955年度から毎年実施し、今回で53回目。半世紀以上にわたる企業の福利厚生費の動向を把握できる日本において唯一、毎年実施している福利厚生費の調査である。同調査は、福利厚生費の各項目について企業の年間負担総額を年間延べ従業員数で除した1人1カ月当たりの平均値(加重平均)を算出したものである。有効回答企業数は680社、回答企業の平均従業員数は4210人である。

【労働法制本部】
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